膨らますところ

膨らますところ

小さいながらも体をはって機能を全うする先端部のツマミはとても健気で、蓋から本体へ繋がる一体成型ヒンジは小粋に撓り、開くとあらわれる少々長めの突起はどこか微笑ましく、これらのエモーショナルな造形を柔らかく透きとおった質感がクールに包み込み、なんだかもう見ているだけでウキウキ愉快な気分になってきて、思わず帽子から白い鳩でも飛ばしてみたくなりますが、そんな賛美の声にもうわつくことなく、膨らませる所は浮輪の大地に悠然と立つ。
 そして役目を終えると、主役を引きたてるためスッと身を隠す見事な引き際に、何処からともなく惜しみない拍手がわきあがる。