名もなき男は世界を救えるのか?
映画TENETは映画館を救えるのか?
数ある有名映画がコロナの影響で公開延期になった2020年。
ついに劇場公開が始まったハリウッド超大作「TENET」。
監督は、「ダークナイト三部作」「インセプション」「インターステラー」など数々の名作を生み出してきたクリストファー・ノーラン。
事前情報では、「時間の逆行」「第三次世界大戦を阻止する」というプロット以外謎のベールに包まれていた本作品。
常に斬新な映像を作り続けてきた彼の最新作は、果たしてどのような映画体験をもたらしてくるのでしょうか?
前半ではネタバレあらすじを紹介、後半ではTENETの見どころを深堀りしていきたいと思います。
・TENETのネタバレあらすじ
・人生の主役は紛れもなく自分であることを知る物語
・クリストファー・ノーラン版「007」
TENET テネット|作品情報
作品名 | TENET |
公開日 | 2020年9月3日(アメリカ) 2020年9月18日(日本) |
上映時間 | 150分 |
ジャンル | SF・アクション |
製作費 | $200,000,000 |
配給会社 | ワーナー・ブラザーズ・エンターテイメント |
スタッフ紹介
役柄/キャスト紹介
TENET テネット|あらすじネタバレ結末は?
TENET テネット|あらすじ
特殊部隊の任務中に捕らえられた“名もなき男”。昏睡状態から目覚めた彼はフェイと名乗る男からあるミッションを命じられる。それは“時間の逆行”と呼ばれる装置で過去へ移動できるようになった未来からの敵と戦い、第3次世界大戦を防ぐというものだった。
引用:U-NEXT
TENET テネット|あらすじ【結】
キャットの傷は癒えた後、プリヤに名もなき男は未来から来た者として未来での作戦変更を申し出ます。
そこで、プリヤは「プルトニウム241」は核兵器の原料ではなく、未来の技術である「アルゴリズム」の一つであることを教えます。
「アルゴリズム」は9つのパーツからできており、世界を逆行させることで順行の世界を消滅させるものだと知ります。
セイターは未来の人間からこれを完遂させることを任され、「プルトニウム241」で9つ全てを揃えていました。
そして、TENETはそれを阻止する組織でした。
名もなき男はセイターに敢えて「プルトニウム241」を奪われる駒であったと告げられます。
それでも、プリヤと交渉して、最後まで戦うことを決めた名もなき男。
「アルゴリズム」は、キャット曰くセイターにとって「人生最高の日」である14日にスタルスク12にて起動されることがわかっています。また、セイターは末期の膵臓癌であり、彼の自殺がアルゴリズムの起動のスイッチであることから「挟撃作戦」が練られました。
この「挟撃作戦」では、14日に戻りスタルスク12で起動されるアルゴリズムの回収を順行チーム」と「逆行チーム」に分かれて遂行することになっています。
順行チームでは逆行チームの退路の確保と名もなき男とアイブズが敵陣を突破してアルゴリズムを回収、ニールのいる逆行チームは10分後の世界から逆行して順行チームへの情報提供とバックアップを行います。
そして、作戦が完遂するまでにセイターの自殺を防ぐため、その日過ごしていたベトナムのヨットにキャットを向かわせてセイターのそばについてもらいます。
挟撃作戦は順調かに思われたが、TENETの動きを予測していたセイターは部下を送り、「アルゴリズム」の設置場所の鉄格子に鍵をしてありました。そして、そこにオレンジのストラップがついているガスマスクの男が倒れていました。
扉を開けられず、名もなき男は何もできないでいます。
セイターの部下が名もなき男を撃とうとしたその時、突然ガスマスクの男が蘇生=逆行して名もなき男を銃弾から守り扉の鍵を開けます。
早まってキャットがセイターを撃ってしまったことも相まって、「アルゴリズム」の回収を急ぎます。
出口は、セイターの部下により防がれていたが、逆行世界にいた機転を効かせたニールが順行世界にきていた事により救出されます。
そして、「アルゴリズム」の起動は防がれ、キャットも船を後にします。
「アルゴリズム」は分解されて、名もなき男・アイヴス・ニールにより世界のどこかに隠すことを決めます。
そこでニールのバックパックにオレンジのストラップがついているのに気づく。つまり、名もなき男の代わりに銃弾を受けて死んでいたのは未来のニールでした。
ニールは未来の名もなき男に雇われていたこと、TENETという組織自体が名もなき男によって組織されたことを現在の彼に伝えて別れの言葉を送ります。
全てを理解した名もなき男は、プリヤにより口封じされそうになったキャットを救い物語は幕を閉じます。
TENETテネット|見どころを紹介!
これぞクリストファー・ノーラン版「007」
とにかく「豪華絢爛」という言葉が相応しい本映画。
ウクライナのキエフ国立オペラ劇場から始まり、インドのムンバイやノルウェーのオスロ、イタリアのアマルフィなど世界を移動していく様は大作スパイ映画の醍醐味と言えます。作戦会議を人が行き交う街中で行うのでちょっとした観光映像にもなっています。
アクションシーンも豪華で、特に本物の飛行機を買って本当に建物突っ込ませるオスロ空港のシーンは豪華過ぎて笑ってしまいました。
役者では、ちょい役でマイケル・ケインを起用するあたりもノーラン映画らしいです。
映像の革新は引き算からの掛け算
過去作で常に映像の革新にチャレンジし続けたクリストファー・ノーラン。
本映画では、「映像」のシンプルでかつ本質である「時間操作」を映画のテーマに据えています。
本映画の「時間の逆行」は「逆再生」と少し意味合いが変わっています。
というのも、順行の世界と逆行の世界が同時に存在する、つまり映像では順行の世界に「逆再生しているもの」が紛れ込むというところに面白みがありました。
特にオスロの空港での、名もなき男とガスマスクの男(未来の自分)の格闘シーン。
普通の格闘シーンのようで、ガスマスクの男は逆行、つまり逆再生している動きなので歪な動きや通常の物理法則ではない動きをしているんですよね。
これが逆行世界側から見たら、順行していたはずの過去の自分が変な動きに見える、という一度のシーンで違う見方ができるのです。
逆行を使ったストーリーのトリックも面白く、同時にこれが難解さを生み出している原因にもなっています。
「主人公」が『主人公』になるまでの物語
本映画の主人公は「名もなき男」、英語の役名は「主人公」を意味する「Protagonist」。
人物背景は語らず、組織の命令のままに任務を遂行する存在です。
キャット親子を救いたい、という人間味も垣間見せながらも、任務のためには利用するのです。
ストーリー中盤で彼は「主人公」だと思っていた自分が、大きな時間の流れの中での駒に過ぎないことを悟ります。
しかし、それでも「主人公」を演じようと時間の流れの中で足掻き続けます。
ラストでこの物語が未来の自分により作り上げられた壮大な『自分=主人公』の物語であったことを知ります。
「主人公」から真の『主人公』になった彼は、自分の意志で組織の命令により殺されるはずだったキャットを救います。
世界に振り回される「主人公」が最後に『主人公』として世界に反逆する、というプロットで本映画を見ると、難解と言われているストーリーそのものが実はこのオチに繋がっているとも言えます。
とは言え、やっぱり難解すぎ
本映画をややこしくしているのは、これもまた映像なんです。
順行の世界を赤・逆行の世界を青で描く、また逆行の世界では通常の呼吸ができないため、全員特殊なマスクをしている、など混乱しないような工夫はしています。
ただ、挟撃作戦では全員同じ装備をつけているため、誰が誰だか分かりにくかったり、カメラと人物が近くて何をやっているのか分かりにくい場面があったり..
また、説明も長いようで、核心の部分は話さないため、常に頭の中で整理が必要です。
それで2時間半もあるため、途中で疲れて物語から置いてかれる人がいるのも納得です。
TENETテネット|映画のあらすじネタバレ結末|見どころも!のまとめ
いかがでしたでしょうか?
難解で理解できなかった!人続出中の映画「TENET」。
正直、自分もまだ50%も理解できていないです…
ですが、理解しなくていいんです!
劇場の大画面でただただ圧倒される、それが映画体験だと思います。
大作映画の劇場公開がほとんどない今、大作映画が見れるって本当にありがたいです。劇場公開をしてくれたノーラン監督に感謝です!
見終わったら、友人とかとああでもないこうでもない、と話し会うのが一番楽しいかと!
最後までお読み頂きありがとうございました。
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