みなさんはもう「花束みたいな恋をした」ご覧になりましたか?
甘くほろ苦いラブストーリーで、「ロマンス映画が苦手」という方にもぜひ見ていただきたい作品です。
というのが、この作品は伏線の貼り方と回収の仕方が本当に鮮やかなんです。
今回はネタバレありで、この映画の伏線回収についてまとめていきます。
まだ未見の方は、ぜひ参考になさってください。
伏線を知ってから見ても十分楽しめます!
- 映画「花束みたいな恋をした」の伏線の貼り方と回収
- 映画「花束みたいな恋をした」のSNSでの考察
「花束みたいな恋をした」での伏線は?
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— WNT (@WNT_007_SNW) March 14, 2021
伏線①:タイトルが結末を匂わせている
タイトルから既にラストが示唆されています。
「花束みたいな恋をした」、過去形で締められているし、盛りの花を集めた『花束』みたいな恋、なんですよね。
種を撒いて、芽が出て、蕾ができて、花が咲く、という過程を経ていない、満開の花を集めた花束。
それがまさに2人の出会いでした。
絹と麦は終電を逃したことをきっかけに出会い、趣味や考え方が偶然同じで、そのまま恋に落ちます。
つまり、出会いが二人の恋のピークだったんです。
本当にきれいで素晴らしいタイトルだと思います。
伏線②:始まりは終わりの始まり
終電(終わり)までには告白しよう、というシーンで出てきた言葉です。
しかし、この言葉がラストにも掛かってきます。
友人の結婚式(始まり)のあとに、2人の関係を終わらせるのです。
独特なセリフ回しに定評のある坂元裕二の脚本ということで、今回も印象に残るセリフがたくさん出てきました。
「始まりは終わりの始まり」なんとももどかしい、けれどこの映画に相応しい言葉ですね。
伏線③:水は別れの象徴
2人が円満な頃、海を訪れます。
その際、麦が少しの間いなくなってしまい、絹は怒るシーンがありました。
水は別れの象徴と言われています。
幸せなシーンの中にも2人の別れが予見されていたんですね。
ちなみに、2人が同棲している部屋の前にも川がありました。
伏線④:絹のネイルが信号機カラー
出会ったときには黄色、付き合い始めてから青、別れが近づいてくるにつれて赤へと変化しているようです。
服のコーディネートとも合わせているみたいですね。
黄色のマフラー、青のコート、結婚式では赤い服でした。
わたしはたまたま映画を見る前にSNSでこの察を目にしていたので、本編を見ながら感動しました。
伏線⑤:チューリップの花言葉「心の移り変わり」
絹が相談せずに転職を決めてきて、喧嘩をしているシーンでは花瓶にチューリップがささっています。
チューリップの花言葉は「心の移り変わり」
2人がすれ違ったり衝突するシーンでは、小道具に注目すると面白いかもしれません。
伏線⑥:2人で共有するためのイヤホンが、終盤では互いを無視するために使われる
まさに、冒頭シーンにも登場し、2人が近づくきっかけにもなったイヤホン。
終盤では同じ空間でお互いの存在を遮断するために使われています。
大きく2人を分断するのが「仕事」に対する価値観と姿勢ですね。
麦は仕事にいっぱいいっぱいで大好きだった漫画さえ読む気力が湧かず、仕事の話ばかりになっていきます。
対する絹は「やりたいことをやりたい」と、給料が下がってもイベント関係の仕事に転職します。
共通の趣味がきっかけで付き合うことになった2人ですが、趣味に対する情熱が湧かなくなっている麦と、変わらずサブカルチャーを愛し続ける絹。
徐々に会話も減っていき、同じ空間にいながら、お互いにイヤホンをして過ごすようになっていきます。
伏線⑦:じゃんけんへの疑問
「紙が石を包んで、なぜ勝ちになるのか?」
2人は同じ疑問を持っていたはずでした。
しかし、最後に同棲解除による引き取りを決めるとき、じゃんけんで麦はパーを出して勝ちます。
以前2人はパーを出すのは大人だ、という話をしていました。
絹は最後まで理想がぶれませんでしたが、麦は現実を受け入れて(彼ら自身の言う)大人になっていたんですね。
伏線⑧:主題歌「勿忘」が作中に流れない
作中に出てくる「花の名前を教えると花を見つける度にその子を思い出してしまう」
川端康成の「掌の小説」という小説集に出てくる一文です。
もっとも美しい呪いと言われているようです。
これが理由で、作中で主題歌「勿忘(ワスレナ)」を流さないのでしょうか。
この曲を聴くたびに切ないシーンを思い出してしまいますもんね。
SNSでのみんなの考察は?
今日は「花束みたいな恋をした」
を観に行ってきました。(ここから先はネタバレ含むので、これから観られる方は読まないでくださいね。)
価値観とか好きな物が似てるって、一緒に生きていくには、本当大切だと思う。価値観は変わっていくものかもしれないけど、共感出来る所がないとしんどいね。 pic.twitter.com/RhCT45fcpb— Sakura✿ (@tsukiyononami3) February 7, 2021
いろいろはな恋の色んな人の感想とか考察とか見てたんだけど、あの美しかった日々が花”束”にできなかったから花束”みたいな”恋をしたっていうの聞いてすごく鳥肌たった。なるほどなあ
— きよ 🦕⋆͛ (@kiyoo0912) March 9, 2021
【花束みたいな恋をしたネタバレ】
私が今までしてきた考察で、先輩の葬式もファミレスの擬似カップルも、2人が同じように時間を過ごしていても心の中は各々異なる感情を持ってるって言ってたと思うんだけど、ずっと、ずーっと腑に落ちなかったのが結婚式でのシーン。— 【非公式】花束みたいな恋をした応援事務局 (@_sabukaru) March 9, 2021
ここだけお互いが異なる感情を持っているとは読み取りづらい描写しかなくて。
でもあの結婚式のチャペルで互いの友人に別れを決意したことを言う場面。麦と絹が代わりばんこに話してひとつの発言になるんだけど、あれLとR一緒に聞いてるってことなんだね。— 【非公式】花束みたいな恋をした応援事務局 (@_sabukaru) March 9, 2021
SNSでもいろいろと考察されていました。
ラストの麦と絹の掛け合いは演出上のものと思っていたのですが、冒頭のシーンとも繋がってくるのですね。
まとめ
考えれば考えるほど、調べれば調べるほどいろいろな見方ができる深い作品ですよね。
わたしも今回調べていて、思ってもいなかったような考察を見て、また映画本編を見直したいと思いました。
本編を思い返していてふと浮かんだのですが、ハッキリとした伏線以外にも、2人の小さなすれ違いは示されていましたね。
出会い方からしてそうでした。
絹は始めライブに行くつもりで家を出ます。
結局、同級生にバッタリ会って食事に行き、ライブも終電も逃してしまいます。
一方、麦はライブのチケットを持っていながらも気力が湧かず、行きそびれてしまいます。
同じお笑いライブを逃してしまったという結果は同じだけど、過程は全然違う。
好きなものが同じでも、考え方は違ったのかもしれません。
始めはお互いに合わせたり、見ないふりをしたり、考えが違っても困ることはありませんが、次第に価値観の変化があり、趣味と仕事の比重が変わっていき、家族の在り方や未来への考え方も変わっていってしまう。
恋愛に限らず、好きなものが同じ人より、苦手なものが同じ人の方が付き合いやすいのかもしれませんね。
例えば、「食事のときにくちゃくちゃ音を出す人が苦手」とか。
あくまでわたし個人の考えや、SNSでのみなさんの感想ですが、ぜひ本編を見て確認してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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