2004年に公開したスタジオジブリの長編アニメーション映画、「ハウルの動く城」
呪いで老婆にされてしまった少女ソフィーと魔法使いハウルの、奇妙な共同生活を描いたファンタジーです。
動く城、しゃべる炎、そして、魔法。
大人になってから見てもワクワクする、アニメーション映画です。
興行収入は約196億円で、2004年、2005年の興行成績第一位を記録しました。
4月2日にはテレビ放送も予定しているようです。
やったー゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚
4/2の金曜ロードショー「ハウルの動く城」だぁ💕
めちゃくちゃ好きな作品だから楽しみ💕#ハウルの動く城#金曜ロードショー— ちゃみ (@Chamiko_9) March 12, 2021
今回は「ハウルの動く城」の、原作と映画の違いについてまとめていきたいと思います。
- 映画「ハウルの動く城」原作小説がある?
- 映画「ハウルの動く城」原作と映画の違いとは?
原作小説がある?
「魔法使いハウルと火の悪魔」
ジブリ映画と原作は大分違ったが、それぞれの良さが光っていた。
“思い込み”によって、自分の可能性を狭めてしまっていたソフィー。
少しずつ素直になっていく様子が、不器用で、人間らしくて、好き。
物語の締めは、大団円のハッピーエンド。幸せな気持ちになった。 pic.twitter.com/dbVexd5fE6— わさび@趣味垢 (@booklove_wasabi) September 3, 2018
原作小説は、イギリスのダイアナ・ウィン・ジョーンズが書いた「魔法使いハウルと火の悪魔」という児童向けファンタジー小説です。
原題は 「Howl’s Moving Castle」なので、ジブリ版のタイトルのほうが近いですね。
文庫版ではシリーズのタイトルが「ハウルの動く城」になっています。
副題が「魔法使いハウルと火の悪魔」です。
1986年の刊行から現在まで、様々な言語に翻訳されて親しまれてきました。
日本に入ってきたのは1997年、意外と最近なんですね!
勝手にナルニア国物語(1950年)や、エルマーの冒険(1954年)と同時代かと思っていました。
なんとこの小説、生まれた経緯も素敵なんです。
作者のダイアナ・ウィン・ジョーンズがある学校に招かれて生徒と話しているときに、一人の少年に「動く城の話を書いてください」と言われたことがきっかけで生まれました。
後にダイアナ・ウィン・ジョーンズは、彼に深く感謝していると語りました。
ファンのアイディアからお話が生まれるなんて、すばらしいですね。
ぜひ文庫本でも、ハードカバーでも、映画と比べながら読んでみてください。
原作と映画の違いは?
結論から言うと、原作小説とアニメーション映画は全然違います。
原作との違いを見比べてみましょう!
ソフィーは魔法が使える?
原作では、ソフィーが魔法を使えるということがしっかりと描写されています。
荒れ地の魔女に呪いをかけられたのも、ソフィーの魔法が原因です。
ソフィーは物に命を吹き込む魔法を持っていて、無意識に商品の帽子にも魔法をかけていたのです。
荒れ地の魔女はそれを宣戦布告と受け取ってしまい、ソフィーに呪いをかけたのでした。
実は、映画でもほんのりとソフィーの魔法をほのめしています。
特にわかりやすいのが映画終盤、カルシファーをハウルの心臓に戻すシーン。
ソフィーは「どうか、カルシファーが千年も生き、ハウルが心を取り戻しますように」と言ってから心臓を戻します。
結果、流れ星に戻ったカルシファーは、死なずに自由になることができました。
これはソフィーの魔法のおかげで、実現できたのです。
ハウルは女好き?
映画版ではハウルが女の子を口説いているようなシーンはありません。
むしろ、ソフィーと初めて会ったシーンでは兵隊に絡まれるソフィーを鮮やかに救い、空中散歩に繰り出します。
これがテーマ曲や風景も相まって、すごく素敵なシーンなんですよね。
しかし、原作ではまるで違います。
ソフィーに声をかけたのはハウル自身だし、荒れ地の魔女にも興味本位で近づき、その後、逆に追い回されることになります。
その他複数の女の子から逃げ回るために城を動かし、いくつかの偽名を持っています。
なんだか映画のスマートなハウルとは正反対ですね。
少年マルクルは、15歳?
映画内でかわいらしいマルクルは、原作ではマイケル・フィッシャーという15歳の青年です。
両親の死後、孤児となったマイケルは成り行きで城にたどり着き、ハウルの弟子として働くようになりました。
本では弟子であるマイケルに小言を言われるハウルが見られます。
ちなみに、原作ではソフィーは三姉妹で、マイケルは三女のマーサと付き合っています。
次女は映画にも出ていたレティーです。
魔法使いサリマンは女性じゃない?
原作でのサリマンは男性で、ハウルと同期の魔法使いです。
物語序盤で荒れ地の魔女を倒しに行き、行方不明となっていました。
荒れ地の魔女は自分の好みの人間を作るために、サリマンやほかの人間を生きたままバラバラにしてつなぎ合わせていました。
ソフィーが出会った案山子はサリマンの一部(心)だったのです。
生きたままバラバラに、ってなんだかホラーみたいですね。
映画の「サリマン先生」は、老齢の女性で、敵として描かれ、王室付き魔法使いとしてとても品のあるキャラクターでしたね。
荒れ地の魔女は味方?
荒れ地の魔女は映画のように無力化しません。
最後まで敵の立場です。
その荒れ地の魔女の後ろ盾というか、荒れ地の魔女が契約していた火の悪魔「アンゴリアン先生」が本当の黒幕と言えます。
アンゴリアン先生は単純な強さ、戦闘力でいうとハウルとカルシファーのコンビに敵わないのですが、頭脳を使って
原作には戦争シーンがない?
戦争が始まりそうな気配はありますが、直接の戦争シーンの描写は全くありません。
宮崎 駿 監督の意向で戦争が映画版「ハウルの動く城」の根幹に据えることになったのです。
というのも、宮崎 駿 監督は「戦禍の恋を描きたかった」のだとか。
ジブリ作品はいつも、優しい話の中にも考えさせるようなテーマを入れているように感じます。
結末は?
細かいところは違っても、結末は変わりません。
荒れ地の魔女の後ろ盾「アンゴリアン先生」を倒し、悪い魔法がすべて解けて、ハウルとソフィーが結ばれます。
まとめ
そして、内容を改変するにあたって宮崎駿に求めたことは「ハウルの性格を変えないこと」映画も原作小説も、気弱で逃げ癖のあるハウルが変わっていく話なんですよね。
鑑賞後、ダイアナ・ウィン・ジョーンズは「宮崎は私が執筆したときと同じ精神で映画をつくった」と語り、絶賛していたようです。
公開時のキャッチコピーも素敵でした。
「ヒロインは、90歳の少女。」
「恋人は、弱虫の魔法使い。」
テレビ放映が見逃せませんね。
ぜひ原作と映画の違いを見比べてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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