トゥルーライズという映画をご覧になったことはありますか?
ジェームズ・キャメロン監督でアーノルド・シュワルツェネッガー主演の超大作スパイアクション映画です。
アーノルド・シュワルツェネッガー演じる主人公ハリーは表向きではセールマンとして働くしがない男ですが、実は凄腕スパイ。
家族にその正体を隠しつつ働いていたが、ある日妻のヘレンが刺激を求めてスパイと偽る男との不倫の疑惑が発生して、ハリーが職権乱用して身辺調査をしていたら本物のテロリストの襲撃に!といった軽快なコメディタッチの映画となっています。
あの映画のクライマックスシーンでテロリストのトラックが爆走して、攻撃を受けて爆破された長い橋ありますよね。
あの撮影とても派手でアクション映画的に楽しいシーンなのですが、ミニチュアで撮影された特撮映像ってご存知でしたか?
この記事ではトゥルーライズの撮影秘話や、ミニチュア撮影の裏側に迫ります!
・トゥルーライズ|実はフランス映画のリメイク作だった!
・トゥルーライズ|米軍海兵隊からレンタルした本物の戦闘機、値段は無料だけど超高額!?
・トゥルーライズ|爆破シーンは実際にある橋を爆破したのではなくミニチュアで撮影された特撮映像だった!
トゥルーライズ|映画の裏話を紹介!
実はフランス映画のリメイク作品だった!
アーノルド・シュワルツェネッガーが1991年に公開されたフランス映画の「La Totale!」という映画をみて気に入り、
ジェームズ・キャメロン監督にリメイクを持ち掛けたそうです。
そして製作されたトゥルーライズは製作総費用1億ドルを超えたアメリカ映画史上で初の作品になりました。
飛び回るハリアーは米国海軍から借りた本物!
マイアミ上空を飛び回るハリアーの活躍シーンがありましたが、あのハリアーは英国BAE社が開発したV/STOL機です。
垂直離着陸が可能で、ホバリング(空中停止)が出来るジェット戦闘機なのですが、米国マクダネルダグラス社がBAE社と提携して、ハリアーを元に独自にAV-8Bを製作して、のちに米海兵隊に採用されたのです。
トゥルーライズでは米海兵隊の協力を得て、キー・ウェストの海兵隊のハリアー部隊から3機を借りて映画に登場させたのです。
乗員の安全を保障するという条件でレンタル料はタダでした。
しかし燃料代が1時間につき15000ドルもかかるのと、地面がジェット排熱で溶けてしまうのを防ぐため着陸パッドを製作するなどして、ハリアーを使用するための費用が50万ドル以上になったのだ。
ラストの爆破シーンのハリアーは超リアルなミニチュア!
クライマックスの爆破シーンでは、あまりに高額ゆえに爆破シーンで本物を傷つけてしまうことは考えられないので最初はミニチュアとCGで何とかならないか検討したのですが“不可能”と判断したクルー。
出来る唯一の方法が「実物大の模型を作るしかない」という結論になったのです。
VFX技術担当のドナルド・ペニングトンがアリゾナ州にある海兵隊を訪ねて、本物のAV-88ハリアーからグラスファイバーで型を取る作業をすることにしたのですが、1機2370万ドル(日本円でおよそ25億円!)とんでもなく高価ゆえに「どんなキズも与えてはならない」と厳しく注意を受けたそう。
さらにリアリティを出すために払い下げになったコックピットなどから本物の部品を貰い受けて模型の製作に取り掛かり、13週間かけて作られたモデル機は最終的に約7000ポンド(およそ3175キログラム)にもなったそうです。
完成した超巨大な模型はマイアミの高層ビルに運ばれ設置されましたが、その設置にも建設用の大きなクレーンで吊るして使用するなどして、そのセッティングにも大きな費用がかかったそうです。
トゥルーライズ|爆破された橋はミニチュアだった?
ラストシーンで爆発したあの橋は実際にある橋だった!
フロリダの南部にあるセブンマイル・ブリッジ(Seven Mile Bridge)という全長10887m(およそ7マイル強)で、
透き通るエメラルドグリーン色の海に浮かんでいて海の上を走っている爽快感を味わえることから世界で最も美しいハイウェイと称されている場所です。
あの橋が「爆破するシーン」はミニチュア特撮で撮影された!
あのシーンはオープンセットで作られたラージスケールのミニチュアで撮影された特撮シーンだったのです。
橋の幅はおよそ2メートル近くの巨大なミニチュアのセットだと思われるのですが、次々とミサイルによる攻撃で爆発して飛散する破片もきちんとコンクリート状に見えるように計算しつくされていて、ハイスピード撮影とともに爆発させる技術とタイミングも素晴らしいものとなっています。
実際のあの橋には新しく橋の増設するために工事用の橋体が造られていたため、途中で途切れている橋がある区間があったそうなのですが、そこを巧みに利用してミニチュアの特撮の映像と実際の橋の上でトラックを走らせて撮影した映像と合わせて「直前に攻撃されて落橋した」ような臨場感のあるシーンに見せているのです。
この作品を解説している書籍などでは「使われなくなった橋を実際に爆破した」と解説されているものもありますが、実際のところは走行シーンとミニチュアの爆破シーンの合成だったのですね。
トゥルーライズの橋大爆破。
まさかのミニチュアである。
#若い人が見たらCGIだと思いそうな昔の特撮 pic.twitter.com/IESxWNTOvj— “DIE”suke (@eroerorocknroll) August 16, 2018
スゲーこれもミニチュアだったんだ!高校生の時にリアルタイムで劇場で見たけど、確かに94年くらいのCGIだとこの綺麗な爆発シーンは出来なかったかもですね。
— 0gata hirosh: (@notimetodie1104) August 17, 2018
トゥルーライズ|映画の裏話!爆破された橋はミニチュアだった?のまとめ
いかがでしたか?
今やCGやVFX技術は素晴らしい進化を見せ表現の幅は大きく広がっていますが、こういった本物の映像とミニチュアによる映像を合わせた特撮でもこれほどまでにリアルな映像を作り出せたのですね。
特撮と言えば日本ではウルトラマンや戦隊ヒーロー、仮面ライダーなどの特撮ヒーローものが頭によぎりますが、映画の中でもこういった映像づくりに使われていたのが衝撃でした。
調べるまで本当にトゥルーライズの爆破シーンは本物だと思っていましたので(笑)
さすがはハリウッド!さすがはキャメロン監督!という感じですね。
是非ご覧になってみて、ミニチュアがいかにリアルだったか確認してみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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