人と距離を置いている楓。
思ったことを口にすることでまわりから距離を置かれている秋好。
そんな二人が、秘密結社『モアイ』を作ります。
しかし、秋好は嘘をつき、いなくなってしまいます。
楓は過去を取り戻すためモアイを壊します。
傷ついて痛い思いをして成長していく、青春の物語です。
原作は、佐野よるさんの小説『青くて痛くて脆い』です。
2018年3月発行の5作目になります。
『君の膵臓をたべたい』で感動してくれた全ての人たちの心を、この本で塗り替えたい
佐野よるさんは、小説に対してこう語っています。
小説は、「2018年二十歳が一番読んだ小説ランキング」で1位を獲得しました。
私は、『キミスイ』で共感した「僕」と似た感じの楓に共感できるのか楽しみです!
この記事では、
・映画の見どころ
について書いていきます。
『青くて痛くて脆い』作品情報
タイトル | 青くて痛くて脆い |
原題 | 青くて痛くて脆い |
日本公開日 | 2020年8月28日 |
上映時間 | 119分 |
ジャンル | 青春サスペンス |
監督 | 狩山俊輔 |
脚本 | 杉原憲明 |
製作 | 沢圭一 / 菊川雄士 / 弓矢政法 / 下田淳行 / 郡司聡 |
製作総指揮 | 伊藤響 |
製作国 | 日本 |
配給 | 東宝 |
『青くて痛くて脆い』主な登場人物(キャスト)
田端楓(吉沢亮)
大学生。全ての自分の行動は人に不快感を与えると思い、人に不要に近づかないことや、人に反対意見をできるだけ言わないことを心に決めています。秋好と「モアイ」を設立します。
秋好琴乃(杉咲花)
楓と同じ大学生で、なりたい自分になることを心に決めています。楓と一緒に「モアイ」を設立します。
前川董介(岡山天音)
楓のバイト友達の大学生です。「モアイ」を嫌っていて、壊す手伝いをします。
『青くて痛くて脆い』あらすじ解説(ネタバレあり)
起:秘密結社「モアイ」設立
大学1年生になった楓は、授業でまわりの空気を読まず自分の思ったことを発言し、浮いた存在になっている秋好と出会います。
人とあまり関わらないようにしていた楓ですが、秋好に声をかけられ、そのうち打ち解けるようになっていきます。
自分の理想を追求する秋好は、どのサークルもしっくりきません。
つい、楓は自分で作ればと秋好に言います。
その言葉がきっかけで、2人はサークル『モアイ』を作ります。
楓の目立ちたくないという意見を取り入れて、こっそりやりたい事をやっていく、秘密結社のようなものでした。
活動内容は、災害支援やボランティアなど、理想の自分になるため、信念だけは突き通すことに基づいて行われていました。
承:いなくなった秋好
楓は大学4年生になり、モアイは、学生の就職活動を支援するサークルになっていました。人数も50人という大人数になっています。
モアイのメンバーが食堂を占領したり、しつこい勧誘をするため嫌う人もいます。
楓はもうモアイからは離れていて、秋好はいません。
楓は結成当初の秋好との想いが詰まったモアイを思い、卒業する前に、変貌したモアイを壊したいと考えます。
就活が終わった董介を誘って、楓は秋好と作ったモアイを取り戻す戦いを始めるのです。
転:「モアイ」をぶっ壊す
楓と董介はモアイを壊すため、モアイのスキャンダルを探します。
そして、モアイが外部企業に無断で学生の情報を流していたとのスキャンダルをつかみ、ネットに流しました。
モアイは週刊誌に載るまでになり、大学からも処分されます。
モアイは部員たちに状況の説明会を開きます。
結末・ラスト:秋好の嘘と「モアイ」解散
モアイの説明会が開かれる朝、楓はリーダーのヒロと出会います。
なんと、ヒロは秋好でした!
楓は、秋好が語っていた理想を追い求める信念は嘘だったのかと思い、変貌したモアイに、秋好に嘘をつかれた、と感じています。
秋好は楓にモアイが大変だと言います。
しかし、楓は冷たく「下品になり、周りをかき乱し犠牲者を出した。」「もう1度作り直そう。」と答えます。
秋好は、「モアイは変わったかもしれないが、理想を持って来てくれた人を受け入れて頑張ってきたのに、相談しても手伝ってくれず、離れていったのは楓のほうだ」と言います。
楓は「お前と出会わない方が幸せだった。」と答え、秋好はこの言葉に傷つきます。
そして、秋好は「自分は理想を信じてきたけれど、人を傷つけてしまった」と、説明会でモアイの解散を宣言します。
楓は秋好が傷つくと思っていなかったのに、ひどく傷つけてしまったことに気付き、激しく後悔します。今まで、自分だけが傷つけられていたと思いこんでいたのです。
以前、楓自身がモアイを居場所にしていたように、今のモアイを居場所にしていた人もいたはずと、その人たちのために動きます。
楓は社会人になってモアイの後継団体の交流会に参加します。
この団体のテーマは『成長』です。
学生から「学生時代に学んだことを教えてください」と質問され、楓は「大事な人を傷つけて、後悔したこと。」と答えます。
秋好の姿を見つけた楓は、その姿を追いかけました。
自分の行動が人に不快感を与えるかもしれないと感じます。そして、傷つくのは怖いと。
しかし、
無視されてもいい、拒絶されてもいい。その時もう一度、ちゃんと傷つけ。
と楓は思い、秋好に追い付きます。
『青くて痛くて脆い』見どころ解説
出典:映画.com吉沢亮さんと杉咲花さんのW主演
私が「キングダム」でくぎ付けになった吉沢亮さんと、若さと純粋さがあふれる杉咲花さんのW主演は見ものです!
吉沢亮さんは、これまでやったことのない役で、嫌われそうな役どころを楽しんでいたそうです。
杉咲花さんは以前から佐野よるさんのファンで、この小説を知った時に演じてみたいと思ったそうです。
二人は楓と秋好のイメージにぴったりはまっていたと思います。
真実を隠したまま展開するストーリー
ストーリーの始めの方で、秋好がいなくなり、死んでしまったのかと思わせます。
真実を知らないまま進んでいく展開が面白いですね!
秋好の嘘は?居場所探しの青春
楓は『モアイ』はとても居心地のいい居場所でした。
秋好がどんどん突き進んでいくことに、自分と同じと勘違いしていたために、楓は秋好のあのはじめの気持ちは嘘だったのか、と思い始めます。
取り残されたような感覚になった楓は、被害妄想のような感じだと思います。
元の自分だけの秋好に戻って欲しい、自分の居心地のいいモアイに戻って欲しかったのです。
秋好は楓に嘘をついていたわけではなく、嘘の言葉を言ったわけでもありません。
変化に合わせながら、進んでいっただけだったのです。
傷ついて成長する
楓は、自分の気持ちをぶつけて、傷つくことが怖いため、何も言わず卒業の年になってしまいます。
その膨れ上がった感情が妄想となり、爆発してしまいます。
最後に気持ちを吐き出し、ぶつけたことで、相手も自分も傷つきました。
しかし、楓は成長したのです。
傷ついたり、逆に傷つけたりすることで人との関わりかたを学べます。
そこに、人として生きていく楽しみも見つけられる気がします。
あまり気持ちをため込まず、爆発させないほうがいいですよね。
暴力的なことはやめましょう。話し合いが1番いいです!
『青くて痛くて脆い』ネタバレあらすじ、見どころ解説まとめ
若い時は特に、勘違いしたり、自分の気持ちや考えを上手く伝えられないものです。
(大人になってもですが)
「申し訳ない事をしたな…」
「今だったらもっとうまく関われたのに…」
私も、そう思うことが山ほどあります。
だから、これからは傷つくことを恐れず、ちゃんと人と関わりながら成長していきたいと思っています。
今が旬の吉沢亮さんと杉咲花さんの演技も楽しみですね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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