2020年10月2日、映画「フェアウェル」が公開されました。
今注目の精鋭の映画スタジオA24が手がけたこの作品は、実話をもとに作られました。
監督はルル・ワン、主演はオークワフィナが務めています。
この記事では、映画「フェアウェル」のあらすじを結末まで、映画の評価や感想までまとめていきたいと思います!
・祖母のナイナイに余命宣告、家族達はひた隠しに。
・ラスト結末、まさかのナイナイは生きている…!
・オークワフィナの魅力の演技!唯一の日本人「アイコ」にも注目!
フェアウェル丨予告動画
フェアウェル丨作品情報
タイトル | フェアウェル(The Farewell) |
日本公開日 | 2020年10月2日 |
上映時間 | 100分 |
ジャンル | ドラマ |
監督・脚本 | ルル・ワン |
製作 | ルル・ワン/アニタ・ゴウ/ダニエル・テイト・メリア/アンドリュー・ミアノ/ピーター・サラフ/マーク・タートルーブ/クリス・ワイツ/ジェーン・チェン |
製作総指揮 | エディ・ルービン |
製作国 | アメリカ |
配給 | A24/ショウゲート |
フェアウェル丨主な登場人物(キャスト)
ビリー・ワン(オークワフィナ)
ニューヨークに住む中国系のアメリカ人。30歳の女性です。
ハイヤン・ワン(ツィ・マー)
ビリーの父親。
ルー・チアン(ダイアナ・リン)
ビリーの母親。
ナイナイ(チャオ・シューチェン)
父ハイヤンの母。ビリーの祖母です。
フェアウェル丨ネタバレあらすじ
フェアウェル丨あらすじ 【起】
主人公ビリーは、物書きになるのを夢見てニューヨークに暮らし、毎日奮闘しています。
ある時、中国に住んでいる父方の祖母ナイナイから電話がかかってきましたが、ビリーは落ち込んでいました。大学の奨学金に不合格となってしまったところだったのです。
家賃もまともに払えず、困ったビリーは父ハイヤンと母ルーを訪れました。
しかしそこでは、日本にいるハイヤンの甥が結婚するのを理由に、ハイヤンとルーは中国のナイナイの家に行くという話をされました。
ビリーは自分も行くと言いましたが、両親はビリーにアメリカに残るように言います。ハイヤンは何故か悲しそうです。
実は、ナイナイはがんで余命3ヶ月だと言うのです。
それを聞いてナイナイに電話をしたがるビリーに両親は、「中国の文化では余命宣告されても本人には伝えない、伝えれば恐怖が死期をより早める」と止めました。
そして両親は甥の結婚式を名目に、余命の短いナイナイにお別れをしに中国へと向かいます。
ビリーも両親に黙って、やはり中国に向かいました。
ナイナイの家に着いた時、何も知らないナイナイはビリーを歓迎しますが、両親は驚きの様子です。
ビリーはそこで叔父のハイビン、結婚する従弟ハオハオとその婚約者、日本人のアイコに会いました。
フェアウェル丨あらすじ 【承】
ナイナイは元気のない様子のビリーを気づかい、太極拳をやって元気なことを見せます。そして、お腹から大声を出して毒素を出すという運動を教えてくれました。
ある日、ハオハオとアイコの披露宴会場の下見に来ていた席で、ビリーはナイナイの姪のユーピンと話をしました。
病気のことをナイナイに伝えるべきか相談しますが、やはりユーピンも「それは本人には辛いことだ」と言うのです。
そんな2人をよそに、ナイナイは披露宴の食事のメニューやお酒についてもマメに口出しをしていました。
盛大な披露宴を準備していた最中でしたが、それを前にナイナイが体調を崩してしまいます。
親族は慌てて病院に集まりましたが、ナイナイは咳をしてはいるものの元気そうで、心配する皆に「大した病気ではない」と言います。
病気のことはまだ本人に伝わっていないようで、皆は安心しますが…
英語の話せる医師とビリーが、ナイナイにわからないように英語で話をした中で、ナイナイのがんの進行がかなり進んでいることを告げられます。
ビリーは真実を話すべきかを医師に聞きますが、医師は「良い嘘もある」と、やはり中国では告知しないということを話しました。
アメリカでは、本人に病気の告知をしないことは知る権利を犯す為「違法である」とされています。ビリーは文化の違いに驚かされました。
待合室で親族はもう一度話し合いをしましたが、ナイナイの妹は「その時が来たら自分が話す」とはっきりと言い切ったのです。
フェアウェル丨あらすじ 【転】
その夜、ビリーはナイナイに真実を伝えないのか、もう一度ハイビンに問い正しました。
東洋と西洋で「人生」に対する考え方が違うこと、西洋ではあくまで自分のものと考えるのに対し、東洋では人の命は家族や社会そのものの一部だと考えられていること。
ハイビンはそんなことを話し、「余命が短いことを隠すということは、本人の重荷を代わりに受け持つことだ」と、ビリーを諭しました。
やはり、ナイナイには真実を伝えない。
それならとビリーは、中国に残ってナイナイのそばにいたいと言いましたが、ルーは「誰も喜ばない」と反対。ビリーはただただ、大切なおばあちゃんを失ってしまう悲しみに暮れるのでした。
そして披露宴当日。
食事を楽しみながらもカラオケやゲーム、ダンスなどで盛り上がり、ナイナイが手配した披露宴は盛大にとり行われます。
そしてスピーチでステージに立ったハイビンはハオハオとアイコの結婚をお祝いし、ナイナイへの想いもあり感極まって泣き出してしまいました。
フェアウェル丨あらすじ 【結末・ラスト(ネタバレ)】
家族写真を撮った時、ビリーは先日撮ったレントゲンの診断結果が出たことを聞き、急いで病院へと向かいました。
その結果を受け取ったビリーは、ナイナイの妹と共にとある店に向かい、そこでレントゲンの結果を「良性の腫瘍」に書き換えました。
ナイナイはその結果を見て安心するのでした。
ビリーがアメリカに帰る日、ナイナイは生活がうまくいっていないビリーを元気付け、お金を渡してくれました。
ビリーは泣きながらナイナイと再会を約束して、両親と共に空港へと向かいます。
ナイナイは妹と一緒に、ビリー達の乗るタクシーが見えなくなるまで手を振って見送っていました。
ニューヨークへ帰ってきたビリーは、ナイナイを思い出し、教わった太極拳の発声の通り、街中でふと大きな声を出してみるのです。
そしてラストに、6年後に元気そうに太極拳を披露するナイナイの姿が映像に映し出されます。
このようなあらすじとなっています。
ナイナイがなんと6年後も元気に生きている!
この結末を迎えたことにより、「生と死に対する価値観」とそれを巡っての「ビリー自身の成長」という部分にストーリーの重きが置かれていることが際立ったように思いました。
フェアウェル丨見どころ
ここでは、「フェアウェル」の見どころについて、SNS上の声をまとめながらご紹介したいと思います。
とにかく主演のオークワフィナ!
今日観た映画「フェアウェル 」。主演のオークワフィナの表情と猫背がすごくよかったな。 pic.twitter.com/kaiKuVHYC6
— yyyymmdd (@dtctv_byz) October 9, 2020
フェアウェル
とにかくオークワフィナの愛嬌が半端なかったです
彼女の一挙手一投足に釘付けでした pic.twitter.com/uNgYNDnLBV— カルメン(オーイェーズ) (@karumem) October 11, 2020
本作で、主演のオークワフィナは第77回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を見事受賞しました。
これまでに「オーシャンズ8」などでも異彩を放っていたオークワフィナですが、今回の「フェアウェル」で特に、ビリーの存在感とその味わい深い演技にとても魅力が光っていました。
この作品を見て彼女のファンになる人も続出しそうです!
食事のシーンが魅力的…!
食事シーンが多いんだけど、ご飯が美味しそう!現在の中国の街並みも良かったなぁ。中国とアメリカの違いも興味深かった。あと、映画を見た人だけのとっておきのプレゼントがあった。もう、やられた!って感じで(●´ϖ`●)祖母特有の心配性でお節介な部分、久しぶりに思い出して和んだ#フェアウェル pic.twitter.com/Fub200i23L
— しとし (@aenega) October 7, 2020
中国文化のみんなで円卓を囲んでご飯を食べる風景が大好き。1人ずつよそうのでなく、真ん中にわっと盛って取り分ける食べ方。
『フェアウェル』の(食事の準備は全部女性で、男性は座って待ってるだけっていうのがアレだったけど)美味しそうなシーン。 pic.twitter.com/Em152ZZFNK
— えいがぱんだ@映画祭ぐるぐる (@eigapanda) October 5, 2020
作中によく登場する、家族で食事をするシーン。
東洋と西洋、それぞれの文化比較という側面を持つこの映画において、まさに皆で食卓を囲んで物を食べるシーンに「中国文化の象徴」が集約されているように思いました。
あまりにも美味しそうな食事がよく出てくるために、映画館を出て中華料理屋に寄ってしまった、という方も結構いるのではないでしょうか。
唯一の日本人役、演じるのは水原碧衣さん
『フェアウェル』を観た人全員が気になっているであろう、アイコ役の水原碧衣。パンフレットにも紹介が無いんだけど、スゴい人なんだな! 京大法学部卒業後、早稲田大学法科大学院から北京電影学院演劇科へ留学(しかも首席卒業)。その上、全人口の上位2%のIQを持つ天才……。https://t.co/IcNq7mq8rc
— 100Fe(ももてつ) (@enjoy_cinema) October 4, 2020
フェアウェル。価値観の違いのぶつかリ合い。おもしろい。日本人としてはアイコの居心地の悪さだけはよく分かった。オークワフィナのおばあちゃん子っぽいところが可愛い。 pic.twitter.com/j74HlJV04i
— SIKI (@i_sikimi) October 11, 2020
ハオハオの結婚相手、唯一日本人キャラクターとして登場する「アイコ」。やはり同じ日本人として彼女はとても気になり、注目して見た人が多かったようです。
中国語が全くわからない異国の嫁という立場に対し、「気持ちがわかる」「頑張った」など、思わず感情移入した声もたくさんありました。
ちなみに演じた水原碧衣(みずはらあおい)さんは、実は世界上位2%のIQを持つ人間だけが加入できる「メンサ」の会員でもあるというから驚きです。
今後の活躍にも期待してしまいますね!
フェアウェル丨感想・評価
では、実際に「フェアウェル」を見た人たちの感想・評価はどうでしょうか。ご紹介します!
自分の家族と重なる
「フェアウェル」初っ端から涙腺崩壊してしまいました。十数年前に亡くなった私の祖母も、親達は病名の事は伝えずにいた。私も祖母が亡くなってから本当の病名を教えてもらった。少しずつ体調が悪くなっていく祖母を見ていて怖くてどうしたらいいのか分からなかったっけ。祖母はどう思っていたのかな。
— あやっぺ@映画好きの紅茶好きの駒鳥好き (@ayappe13) October 11, 2020
映画「フェアウェル」ガンになったお婆ちゃんに会いに行く話。自分も母方の祖父母が遠方だったので観ながら色々思い出す。親が居ない隙にお金渡されるとかあるある。印象的なのは何度もある一家揃っての食事のシーン。そこに祖父母亡くなって失われた自分の一家の団らんを重ねたりね。 pic.twitter.com/1RnTRLvOI8
— バグ・バズ (@bug_buzz) October 4, 2020
「おばあちゃん子」にはたまらない、涙なしに見られない作品。
家族の日常と、誰にでもいつかは訪れる死の気配にまつわる物語をコメディアスに、同時に自然体に描いているのでとてもリアルです。
自分の家族と重ねて見た人たちの、このような感想は絶えません。
平坦…?
祖母が余命3ヶ月と判明という事件はあるものの、チェーホフの小説みたいな「何かが起こっても、何も起こらない」お話。
明確な起承転結はないのに見ていて引き込まれる、明確な結論はないのに見終えた後に「うん、人生ってそういうものだよね」という不思議な納得感のある映画でした!#フェアウェル pic.twitter.com/rIA9ZjIVg1
— さわだ (@eiga1201) October 9, 2020
フェアウェル…ぬるい映画だった。ビリーの背景も薄いしワンイシューで退屈。誇張は無いけど西洋から見た変な東洋文化って感じで東洋人からしたら何も面白くなかった。
— えびピ¹²⁷ (@ebipi_nct) October 11, 2020
はじめから終わりまで「ナイナイの病気を受け入れて隠し通していく」という、ストーリーの大枠は確かにワンイシューと言えばそうだと思います。
あくまでもリアルな描写で、劇的な展開が繰り広げられるわけでもないので退屈だと感じた声もありました。
その平坦さを説得力と受け取るか物足りなさと受け取るか、そこは賛否あるかもしれません。
懐の深さが魅力の作品だった
フェアウェル
“死”に対し西洋と東洋とで考え方が異なるように、こうあるべきと定められた人生なんてないし、どっちが正解なんてのもない 結果的にああなったけど、どっちの選択肢も受け入れてくれるような懐の広さと、そんな何も決まっていない面白さが、そのままこの作品の魅力に繋がってる気がする pic.twitter.com/lz9b4VwQTk— シネマなぎ (@backtotnenow) October 11, 2020
死生観の違いについて描かれている作品ですが、そのメッセージは「こうあるべきだ」と主張するものではありませんでした。
ビリー達の間でナイナイに対して出した結論は一つの家族の形であり、「こんな価値観もあって、結果的にこの家族はこうなった」と、ただありのままを描いたストーリー。
実話をもとに描かれたストーリーだからこその、押し付けがましくない優しい作品になっているような印象がありました。
フェアウェル丨映画の結末ネタバレあらすじは?オークワフィナ出演・まとめ
ここまでで映画「フェアウェル」のあらすじを結末まで、見どころや評価についてまとめてきましたがいかがでしたでしょうか。
価値観の違いに苦悩しながらもナイナイの命に対してきちんと受け止めようとするビリー。評価の声にもあったように、主演のオークワフィナがとても魅力的だったと思います。
「嘘も方便」、「病は気から」。
様々な考え方がある中で本当に人を思いやるということは難しいけど、難しい=色々な可能性があるということを改めて考えさせられる映画でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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