森下典子さんによる自伝エッセイを原作とした、映画『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』。
ひょんなことから茶道を習うことになった典子(演:黒木華)と従姉妹の美智子(演:多部未華子)。
通う茶道教室の武田先生(演:樹木希林)の言葉や、茶道の所作とともに感じる四季の移ろい、美しい和菓子。そんな「茶道」の時間を通して、自分の人生や、自分の心を見つめる、穏やかで美しい物語です。
女優樹木希林さんの遺作ともなった『日日是好日』について、あらすじネタバレを含めて解説していきます!
『日日是好日』作品情報
タイトル | 日日是好日 |
原題 | 日日是好日 |
日本公開日 | 2018年10月13日 |
上映時間 | 100分 |
ジャンル | 邦画 |
監督 | 大森立嗣 |
脚本 | 大森立嗣 |
製作 | 『日日是好日』製作委員会 |
製作総指揮 | 吉村知己、金井隆治、近藤貴彦 |
製作国 | 日本 |
配給 | 東京テアトル、ヨアケ |
『日日是好日』主な登場人物(キャスト)
典子(黒木華)
主人公。「本当にやりたいこと」を見つけられずに過ごしていたが、母から勧められ、乗り気になった従姉妹の美智子から誘われるがままに、茶道教室に通い始める。
武田先生(樹木希林)
典子と美智子が通うことになった茶道教室の先生。一人暮らしをしており、とても品の良い女性。タダモノではないと噂になっていた。
美智子(多部未華子)
典子の従姉妹。年齢は典子と同い年でしっかり者。典子ととても仲が良い。典子の家の近くで一人暮らしをしており、よく遊びに来ている。
『日日是好日』あらすじ解説(ネタバレあり)
映画『日日是好日』鑑賞。静かな茶道の世界を垣間見ながら、主人公の人生と共に流れる時間をゆったりと味わう。年齢に合わせて様子が変わっていく黒木華と全く様子が変わらない樹木希林が対比的でそれぞれの人生が感じられる。時と共に教室で出会う人、去る人もいるのがなお味わい深い。傑作。
— DDD@朝木ちひろファン (@writelefthand) December 1, 2018
起:茶道教室へ
20歳の大学生である典子と美智子は、いつも通り、典子の家でお菓子を食べておしゃべりをして楽しく過ごしていました。
そんな2人に、典子の母が、お茶を習うことを勧めます。ご近所に住む、とても品が良く、タダモノではないという噂の武田さんが先生だそう。美智子はすぐに乗り気でしたが、典子は戸惑いつつお茶教室に通うことを決めました。
笑顔で受け入れてくださった武田先生。先生がくるまで、2人は通された部屋や掛け軸の『日日是好日』の文字を興味深く眺めていました。
毎週土曜日にお稽古をすることになりますが、超初心者である2人は、数々の細かい茶道の所作を一生懸命に頭で覚えようとします。そんな姿に武田先生は、「お茶はまず形から。」と穏やかに諭すのでした。
承:それぞれの道へ進む、典子と美智子
毎週土曜日にお茶に通い続けている典子と美智子。卒業を控え、お稽古の帰りに2人で海を見に行きます。
美智子は貿易商社への就職が決まり、典子は出版会社の入社試験を受けることに。結果的には入社試験に落ちてしまいますが、典子は諦められず、バイトをすることに決めました。
卒業するまで2人はお茶に通い続けました。そのうちにお茶会やお弟子さんたちとの交流があり、上達していった2人。しかし、美智子は就職のタイミングでお稽古をやめてしまいます。
典子は一人でもお茶を続けることにしました。バイトをしながらの生活でしたが、やがて自分の後からお茶教室に通い始まった方たちとの交流もあり、だんだんと、掛け軸や器、お茶の音・・・様々なものを、お茶を通してゆったりと感じることが出来るようになっていきます。
そのうち美智子は退職し、結婚して地元に戻ってしまいます。子どもも生まれ、典子は美智子のことがうらやましくも感じてしまうのでした。
転:典子の葛藤
30歳になった典子。お茶教室では古株になったものの、どんどん上達していく人たちを見ていく中で、自分には進歩が無いと感じてしまいます。武田先生の親戚である雪野さんに憧れを抱きますが、遠く及びません。
さらにそんなときに婚約者の裏切りが判明し、破局。
武田先生からも厳しい言葉を受け、婚約もなくなり、自分の居場所がどこにもなくなってしまったように感じた典子。
典子は実家をでて一人暮らしを始めました。もろもろの忙しさから、父からの食事の誘いがあっても断ってしまいますが、その後父は病により他界してしまいました。
結婚にも失敗し、さらに家族との別れを経験した典子。
典子はお茶に行き、武田先生と静かに言葉を交わし、桜を見ながら心が落ち着いていくのを感じました。
結末・ラスト:「日日是好日」の言葉の意味
典子はお茶を続けました。年を重ねていく典子と、武田先生。
憧れていた雪野さんから、武田先生の過去の話を聞いた典子は、今日のお茶を楽しむことを幸せと感じられること。一日一日を大切に過ごすこと。それがすなわち、教室に飾られている『日日是好日』の意味である、ということを、改めて感じることが出来たのでした。
『日日是好日』見どころ解説
出演者たちの演技力
惜しくも亡くなられた樹木希林さんを筆頭に、茶道の所作や、一つ一つの会話を引き立てる、女優さんたちの演技力は見事としか言えません。
決して台詞が多い作品ではありませんが、その表情や言葉に惹きつけられるものを感じました。
キャスティングが素晴らしかったと思います。日本を代表する女優である樹木希林さん、これからの日本を担っていくであろう黒木華さんと多部未華子さん。3人の共演が今後見られないことが残念です。
美しい映像と茶道の魅力
茶道を通して描かれていく物語。お茶をたてる様子や、お庭、和菓子、着物・・・様々な美しい「和」「茶道」の姿を映像で楽しむことが出来ます。
私も典子や美智子と同じで茶道のことを全く知らない初心者でしたが、一つ一つの動きが美しくて、思わず魅入ってしまいました。
自分も茶道を習ってみたい、と思う方も沢山いると思います!
『日日是好日』ネタバレあらすじ、見どころ解説まとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。
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