映画「私をくいとめて」が2020年12月18日より、全国で絶賛上映中です!
「勝手にふるえてろ」で大ヒットを生み出した、”綿矢りさ”さんと”大九監督”が再びタッグを組んだことでも話題ですね。
みなさん、実は大九監督が映画を撮るにあたって、原作から細かい点を変更していることをご存じでしょうか?
今回は、「私をくいとめて」の映画と原作の違いや、物語の内容について紹介していきます。
- 「私をくいとめて」の原作と映画のちがい
- 「私をくいとめて」のあらすじ
- 「私をくいとめて」のネタバレ結末
映画と原作の違いは?
映画「私をくいとめて」は、原作である小説との違いがいくつかあります。
大九監督のインタビュー記事をもとに、変更点を洗い出しました。
・みつ子の年齢を32歳から31歳に
・皐月を妊婦さん設定に
・みつ子の上司「澤田」が登場
・多田君の見た目を大幅に変更
それでは、1つずつ詳しく解説していきます。
みつ子の年齢を32歳から31歳に
主人公みつ子の年齢が、原作小説では33歳を間近に控えた32歳、映画では31歳となっています。
「私をくいとめて」は、”おひとりさま”がテーマとなっている映画のため、大九監督は年齢にこだわったそうです。その結果、原作より年齢を1歳若くしたようなのですが、これは大久監督自身の実体験が元となっています。
大九監督自身が、30歳になる際、”何かを成し遂げてない”という焦りと恐怖から、1か月ほど海外を放浪したりと迷走したそうです。ところが、いざ30歳になると何一つ変わらなかった、という経験をされました。
みち子には、20代最後の焦りを乗り越えた、”31歳”という年齢設定にし、落ち着きのあるキャラ設定にした、とインタビューで語っていました。
確かに、映画内でみち子は”おひとりさま”であることに満足し、現状を受け入れている様子が見て取れますね!
皐月を妊婦さん設定に
みつ子の親友皐月は、原作小説では妊娠していないのですが、映画では妊婦さんの設定となっています。
主人公であるみつ子との対比を際立たせるために、このような設定にしたようです。
小説の内容を130分の映画に凝縮する際、よりみつ子に衝撃を与えるような存在になってほしい。もし自分と似たような境遇だった親友が、大変化を遂げたら、みつ子はさぞ動揺するだろうな、と考えたと大久監督は語ってらっしゃいました。
確かに、イタリアへ行った親友が妊娠して帰国したとなると、いくら”おひとりさま”を極めたみつ子であっても相当に動揺したことでしょう。大久監督さすが!といいたくなる演出です。
みつ子の上司「澤田」が登場
原作小説ではでてきませんが、映画ではみつ子の上司として「澤田」が登場します。
片桐はいりさんが演じる上司ですが、とっても頼りになる女性なのです。
大久監督は、”みつ子をきちんと照らし導く素敵な女性の先輩がいたって良いじゃないか”とインタビューで語っており、映画内でもみつ子にポジティブな働きかけを行う、重要な役割となっています。
多田君の見た目を大幅に変更
みつ子の好きな人「多田君」は、原作小説ではスポーツ刈り・がっつり体格の体育会系な見た目ですが、映画では爽やかな青年となっています。
これは、大久監督が原作の小説を読んだ際、みつ子が好きになるのはゴリゴリの男性より、林遣都さんが演じるような爽やかな男性だと感じたため、見た目を変更したそうです。
原作を読んだことがある方、どっちの多田君がしっくりくるでしょうか?ぜひコメントで教えてください!
原作のネタバレ結末
あらすじ
主人公みつ子(のん)は、33歳のOLです。”おひとりさま”ライフを満喫しており、一人で悠々自適な快適生活を送っています。みつ子には、頭の中に”A(中村倫也)”と呼ぶ空想のアドバイザーがいて、みつ子は様々なことを相談しています。
みつ子は取引先の営業マンである年下男性、多田君(林遣都)のことが気になっていて、そのことをAに相談します。
ある日、ひょんなことから、みつ子と多田君は一緒に夕食を食べることとなりました。その夕食会はとても楽しく、2人は充実した時間を過ごします。
その後2人の距離は縮まり、みつ子と多田君は付き合うこととなります。付き合い始めはぎこちなかった2人ですが、次第に自然な関係を築いていくのです。
ところが、あるデートでホテルで多田君に迫られた際、みつ子はとっさに多田君を拒否してしまいました。
結末
「多田君のことは好きだけど、怖い」と悩むみつ子は、「誰でもいい、私をくいとめて」と心の中で叫びます。
そんな心の声に答えてくれたのは、脳内アドバイザーのAでした。A穏やかな励ましを続け、みつ子は次第に落ち着きを取り戻していきます。
すっかり前向きになったみつ子に対し、Aは「私の役目は終わりです。」と別れを告げるのでした。死に止めるみつ子ですが、Aはみつ子の頭の中から去って行ってしまい、それ以来、みつ子はAと話すことができなくなってしまいました。
時は流れ、多田君との気まずい雰囲気もすっかりなくなったある日、みつ子と多田君は旅行に出かけることとなります。旅行日の朝、鍵をなくし慌てるみつ子に「鍵は机の上にあります。」とAの声が聞こえてきました。みつ子は頭の中のAにお礼を言い、すっきりした表情ででかけていくのでした。
まとめ
映画「私をくいとめて」の原作小説との違い、いかがだったでしょうか?
細かい設定を変えることで、130分という短い時間でもリアリティが生まれる、素晴らしい演出だと感じました。
皆さんも映画・小説ともに見て、違いを比べてみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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