2021年1月29日より公開の映画『名も無き世界のエンドロール』
原作は行成薫さんの同名小説で、第25回小説すばる賞を受賞した作品です。
本作で岩田剛典さんと新田真剣佑さんは初共演、ヒロイン役は山田杏奈さんです。監督の佐藤祐市さんは、映画『キサラギ』では数多くの賞を受賞し、他にも映画やTVドラマなどを数多く手掛けています。
この物語は、幼なじみのキダとマコトのもとに、ヨッチという女の子が転校してきたことから始まります。3人は家庭環境が複雑だったこともあり打ち解け合います。キダはヨッチを好きになりますが、マコトとヨッチが付き合うことになり、二人を応援することにしました。しかし、20歳のクリスマスイヴの日、ヨッチが突然いなくなります。
この映画にはトリックが散りばめられていて、どんでん返しの結末に衝撃を受けます。また、ラストに出るシロタとは誰なのかも気になるところです。
今回は、『名も無き世界のエンドロール』のラストについて詳しく紹介していきます。
- 『名も無き世界のエンドロール』シロタの意味とは?
- 『名も無き世界のエンドロール』どんでん返しの結末とは?
ラストのシロタの意味は?
ラストではシロタという人物が車のひき逃げにより死亡します。
登場人物にシロタという名前はいないはずですが、誰のことなのでしょうか?考察してみましょう。
被害者の名前は城田?
この映画のラストは原作小説でも謎として描かれていています。
キダは漢字で書くと“城田”、つまり、“シロタ”と呼ぶことができます。
しかし、主人公のキダは自分の名前を捨てます。そして、他人から亡くなった親友の名前を買い、“澤田マコト”として生きていきます。
このことから考察できることは…
①キダを名乗る人物がひき逃げの被害に遭った
警察は被害者の名前の城田という漢字を見て“シロタ”と言ったと考えると、キダの身分を買った人物がひき逃げの被害に遭ったという推測ができますね。
②偶然、同じ名前だった人がひき逃げの被害にあってしまった
現実の世界で考えれば城田という名字は珍しくもないのでこちらも推測できます。
はっきりとした答えはありませんが、映画のストーリー展開的には①の方がドラマチックですよね。
プロポーズ大作戦の真相は?
マコトはリサに“プロポーズ大作戦“を仕掛ける
マコトは子供の頃から人にドッキリを仕掛けることが大好きでした。そして、リサにも”プロポーズ大作戦”を仕掛けます。
キダとマコトは同じ自動車整備工場に就職していました。ある日、その工場にリサ(中村アン)という名の女性が高級車の修理の依頼にやってきます。マコトはリサに興味を持ったのか、彼女を誘いますが軽くあしらわれました。マコトは間もなく工場を辞め、キダとも疎遠になります。
2年後、工場は安藤議員(石丸謙二郎)の道路拡張政策のため廃業になってしまいました。キダはマコトを探すため、裏社会とも繋がる“交渉屋”になりました。再会したマコトは、貯めたお金で輸入ワイン会社を買収するつもだと告げます。キダは「リサにふさわしい人間になるため協力してほしい」と頼まれます。社長になったマコトはキダの計らいにより、リサと付き合うことになりました。
そして、キダの協力のもと、マコトはリサに“プロポーズ大作戦”を決行します。
マコトはヨッチではなく、リサにプロポーズするのです。ヨッチとはどうなったのでしょうか?物語はここからどんでん返しの結末へと向かいます。
マコトはヨッチに“プロポーズ大作戦“をしたかった
物語の終盤にマコトの本当にしたかった”大作戦”が明らかになります。
3人が20歳を迎えたクリスマスイヴの日、マコトはヨッチにプロポーズすることを決意します。マコトはヨッチを驚かせるため、キダにも協力を仰ぎ、 “プロポーズ大作戦”を計画。
しかし、ヨッチを迎えに行ったマコトが戻らないため、交差点まで行ったキダ。そこで目にしたのは車からひき逃げされたヨッチの姿でした。マコトは立ち去った車のヘッドライトの破片を持っていました。犯人は見つからないままでした。
2ヶ月を過ぎた頃、二人の職場にリサが現れます。リサの高級車の破損部分はマコトが持っていた破片と一致しました。リサは安藤議員の娘で事件をもみ消していたのです。マコトが事故の原因を聞くとリサは「犬を引いた」と答えました。このことから、マコトはリサに気のある素振りを見せ、復讐を誓ったのです。
マコトの“プロポーズ大作戦“は、実はリサに自供させることと、犬扱いされたヨッチの存在を世間に知らしめるためでした。そして、マコトは持ち込んでいた爆薬でリサを、そして自分自身も殺すための”大作戦”だったのです。
マコトを助け出せず、道路に座り込んだキダには、マコトが「メリークリスマス」と言いヨッチに指輪を渡し、二人が交差点を歩いている姿が見えていました。
まとめ
この映画のラストの”シロタ”の意味については、原作小説でも謎として描かれていています。キダは漢字で書くと“城田”、つまり、“シロタ”と呼ぶことができます。
シロタという人物が車のひき逃げにより亡くなっていますが、主人公のキダは自分の名前を捨て、亡き親友のマコトとして生きます。
警察が言ったシロタは漢字で城田だと考えられ、キダの身分を買っていた人物が亡くなった。または、偶然にも名字が城田で知らない人物だったとの推測もできます。
映画のラストには、マコトの“プロポーズ大作戦“はリサにではなく、天国のヨッチに向けてだったことも明らかになりました。
マコトとして生きる道を選んだキダに3人はずっと繋がっているとの強い思いを感じました。
切なくなるラストでしたが、どんでん返しの結末は面白いと感じる映画ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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