トゥルー・クライム(1999)|映画ネタバレあらすじと感想・評価・考察

 

掘り下げてあらすじ・感想をまとめてみました。

映画『トゥルー・クライム』は、BLM運動(黒人の権利運動)が盛り上がっている今こそ見て欲しい作品です。

 

映画『トゥルー・クライム』予告動画

映画『トゥルー・クライム』あらすじ

交通事故死した若い同僚の仕事を引き継ぎ、死刑執行間近の囚人・フランク・ビーチャムのインタビューをすることとなった老記者のスティーブ・エベレット。

フランクの罪状は、彼が金を貸していた女性への殺害容疑だった。

しかし、フランクと会話をするうちに、真犯人が別にいることをスティーブは確信する。
スティーブは個人的に事件を再捜査し始めるが、フランクの死刑執行まで残り12時間しかなかった。

そこで、目撃者でありながら、捜査でほとんど無視されていた少年・ウォレンの行方を追うことにするが、ウォレンも三年前に亡くなっている。

捜査が行き詰ったことに打ちひしがれるスティーブだったが、偶然見かけた証拠から、ウォレンの祖母・ラッセル夫人の話を聞くことに。
ラッセル夫人の告白により、スティーブは間一髪のところでフランクを死刑から救うことに成功する。

映画『トゥルー・クライム』感想・評価

『トゥルー・クライム』は緊張感あふれるサスペンスストーリーです。

12時間しか時間のない中、無実の人を死刑から救うため、老記者のスティーブ・エベレット(クリント・イースドウッド)が奔走します。

長く活躍していたニューヨークから、大陸を縦断してカリフォルニアに移り、自暴自棄に過ごしていたスティーブ。

彼が長年の記者としての経験とカンを生かして事件を追う様は、まさに手に汗握るものでした。

今の仕事に満足していない人や、今目指している仕事のある人、まだ一旗揚げてやるぞと努力されている方は、このスティーブの姿に勇気づけられると思います。
名俳優で名監督でもあるクリント・イーストウッドが主演・監督の両方を務めているので、基本的にツボを外れることのないいい作品です。

そして、予告動画の紹介でも書いたように、この映画はBLM運動(黒人の権利運動)が盛り上がっている今こそ見て欲しい作品でもあります。
というのも、無実の死刑囚・フランク・ビーチャム(イザイア・ワシントン)はアフリカルーツの黒人。

きっと、彼の人種が違っていたらいきなり犯人だと決めつけられずに、もう少し真剣に捜査がされていたのでは?と、どうしても考えてしまいます。
フランクが逮捕されたのは、現場から焦って逃げていく様子が目撃されたことと、殺害された女性にお金を貸していたという二点だけだったのです。

消炎反応の検査の一つでもしていれば、すぐに彼が犯人でないとわかりそうなものなのですが、フランクは状況証拠だけで収監されてしまいます。

映画『トゥルー・クライム』原作は?

『トゥルー・クライム』には、原作があります。

『真夜中の死線』というアンドリュー・クラヴァンというサスペンス作家が書いた作品で、日本では創元推理文庫で出版されていました。

出版元のサイトを確認しましたが、残念ながら今では絶版状態。中古書店で探すしか入手方法はないようです。

映画『トゥルー・クライム』主題歌は?

『トゥルー・クライム』の主題歌はダイアナ・クラールが歌う『Why Should I Care』です。
ゆったりとしたメロディが魅力的です。

ダイアナ・クラールは90年代で最も有名なジャズ歌手の一人ともいわれています。

ジャズというと、メロウなものとアップテンポなものとで好みが分かれますが、この曲ジャズバラード。メロウ寄りといえるでしょう。

そしてなんと、クリント・イーストウッドが作詞・作曲に関わっています。本当に多才な方ですね。

ストーリーとは全く関係のない内容のラブソングですが、ファンの多い名曲です。

映画『トゥルー・クライム』以外で記者が活躍する作品は?

『トゥルー・クライム』を見て、記者が活躍する作品をもっと見たい、と思った方にお勧めなのが『スポットライト 世紀のスクープ』(2016年)です。

『トゥルー・クライム』は創作作品ですが、こちらは実際に起きた事件をもとにしています。

2001年の12月に、キリスト教聖職者たちによる教徒の子供たちへの性的虐待事件を告発した記事がボストン・グローブ紙に掲載されるまでを描いた作品となります。

30代以上の方は、この記事が出た日のことを覚えている方もいるかもしれません。

最初は、被害者からの告発を真剣に受け取っていなかった記者たちが、事件と事件、人と人とが繋がるうちに、隠されているものの大きさに気づいてく様子に、背筋がゾクゾクとしました。

music.jp

映画『トゥルー・クライム』まとめ

『トゥルー・クライム』は、公開から20年以上たっても変わらないアメリカでの人種差別について強く考えることのできる作品す。

それと同時に、クリント・イーストウッドらしい骨太でハードボイルドな魅力にあふれた作品でもあります。

とても残念なことですが、クリント・イーストウッド自身も、時折人種差別的な行動で注目されてしまっている人ということを念頭に置いて見ていただけると嬉しいです。
BLM運動がなぜ起きたのか知りたい人・仕事に悩んでいる人・ハラハラしたい人にお勧めの映画です。

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