薬の神じゃない!|映画は実話?モデルは中国のニセ薬密輸の陸勇事件?

 

中国で大ヒットを飛ばし、いよいよ日本公開となった映画「薬の神じゃない!」

白血病薬を巡る社会派エンターテイメントである本作品は、中国で実際に起きた事件を参考に物語が作りあげられています。

そして、本作品のヒットを受けて、社会がある問題について考え、ついには中国政府まで動いたということが起きました。

一体その事件はどんなものだったのか?

本映画のヒットで中国では何が起きたのか?

 

本記事では、今作品の予習として、中国の医療の実態と絡めながら、事件についてまとめてみました。

 

この記事で分かること

・「薬の神じゃない!」 映画情報

・「薬の神じゃない!」の基となった実在の事件

・中国の医療事情

 

タイトル

薬の神じゃない!
原題我不是薬神
日本公開日2020年10月16日
上映時間117分
ジャンル社会派ドラマ
監督ウェン・ムーイエ
脚本

ウェン・ムーイエ
ハン・ジャニョ
ジョン・ワイ

製作

シュー・ジェン
ニン・ハオ
ワン・イービン

製作国中国
配給シネメディア

薬の神じゃない!|映画は実話だった?

薬の神じゃない!

出典:映画.com

モデルは「陸勇事件」!

本映画では、2014年に中国で実際に起きた「陸勇事件」に基に製作されました。

では、この事件はどんなものだったのでしょうか?

陸勇さんは慢性骨髄性白血病を患っている方でした。

彼は中国国内で認可されている「グリベック」という薬が非常に高価であるため、インドから「ビーナット」という薬を個人で輸入していました。それは、同じ薬効でありながらもジェネリック医薬品で安価でした。

彼はある程度自分の症状が改善したことから、自分の持つ「ビーナット」を他の白血病患者にも分け与えることにしました。

しかし、認可されていない「偽薬」として、偽薬販売及びクレジットカード管理妨害罪などの容疑で湖南省公安当局に逮捕・起訴されることになりました。

このことは人々の関心を集めることとなりました。

貧困層に突き付けられる「高額医療費」の問題に多くの人が声を上げ、陸勇さんの釈放を求める動きが強くなりました。

結果として、湖南省沅江市人民検察院は陸勇さんへの起訴を取り下げ、翌年2015年に釈放されることとなりました。

 

映画から名付けられた「薬神」たち

本映画が中国国内で公開されたのは2018年でした。

中国国内では大ヒットを飛ばし、同時に薬の個人輸入が法律違反であることが多くの人の関心を集めました。これ以降、この映画のタイトルから、薬を個人輸入して患者に配る人を「薬神」と呼ぶようになったそうです。

以降関連する事件を「薬神事件」と呼ぶことが多くなったそうです。

有名なのでは、江蘇省連雲港市で起きた薬神事件では、いくつかの抗癌剤をインドから大量輸入した上で、営利目的で売り捌いていたそうです。

期間は3年にも及ぶそうで、「陸勇事件」とは別で、本映画を連想させるよな大規模な事件として知られています。

 

薬の神じゃない!|中国の医療の実態

薬の神じゃない!

出典:映画.com

高額医療費問題

そもそもこの事件が起きた背景には、中国の高額医療費問題がありました。

日本の国民皆保険と異なり、中国では年齢や退職歴など、様々な条件によって個人負担額がかなり変動するそうです。

また、保険適用される薬も限られています。

また、中国の病院は基本的に公的機関として設立されていますが、政府から出る費用はわずかなものとなります。

そのため、病院側は利益を稼ぐために患者に高額の費用を要求します

これらのことから、中国では貧困層が金額面で治療を受けられない・続けづらいという問題があります。

中国では大都市の公立病院に優秀な医者が集中することが多く、それに伴い患者も必然と集中します。

逆に、地方病院の発展が遅れ、国の全体的な医療の発展そのものにある程度拍車がかかっているという問題もあります。

 

少しずつ歩み出している中国の医療

映画のヒットを受けて、医療における貧困層の問題は新めて注目が集まりました。

そして、政府が動きはじめていくつか進展がありました。

例えば、抗癌剤の一部の価格を下げるように李克強総理が関係当局に働きかけているようです。

また、薬品管理法の改正も行われました。

今までは、陸勇事件に挙げられるように、国内で認可されていない薬は「偽薬」として扱われていました。

しかし、改正法では、国内で認可されていなくても、国外で合法とされている薬であれば個人が少量輸入しても大丈夫、というものであります。

これは、「薬神」を装い、海外製の薬を大量に売り捌くビジネスを起訴するために成立したものです。

実際にワクチンを大量輸入にしていた上海の方が、懲役7年を宣告されています。判決不服として、控訴されているが、判決が下ることはありませんでした。

要は、営利目的で大量に輸入して販売するのを禁じている。あくまでも、個人が少量使用するというところがポイントです。

だが、まだまだ問題は残るため、ジェネリック医薬品の国内生産や海外製薬会社の薬の認可など、改善する余地が有り余っています。

 

薬の神じゃない!|映画は実話?モデルは中国のニセ薬密輸の陸勇事件?のまとめ

 
いかがでしたでしょうか?
 
実在の事件をモデルにした本映画は、人のために法律を犯すことの是非を観客に問いかけてきます。
現実でも、少しずつではあるが、中国国内での問題は解決への道に歩み始めている部分はまだまだあるが、道のりはまだまだ先となると思います。
医療費問題は今後の日本も考えうるべき問題でもあるため、是非本作を見ながら将来について考えてみるのもいいかもしれませんね。
 
 
以上、薬の神じゃない!実話?中国のニセ薬密輸の陸勇事件がモデル?についてご紹介しました!

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

コメント

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