独立国家に秘められた謎を追うルパン三世たちの活躍を描いた「ルパン三世 カリオストロの城」
今作品を手掛けたのは、ジブリスタジオを生み出した宮崎駿!
彼の長編劇場アニメーション初監督作品で、シリーズ中最も人気の高い作品となっております。
しかし、その一方で「こんなのルパンじゃない!」と否定的な意見も目立つ作品です。
それは何故なのか?
本記事では、映画評価サイトのユーザーレビューを元にしながら、本作品は面白いのか?つまらないのか?まとめていきたいと思います。
- 「ルパン三世カリオストロの城」の面白いところ
- 「ルパン三世カリオストロの城」のつまらないところ
面白い理由は?
宮崎駿の拘り抜いた作品!
言わば、宮崎駿監督の映画作品の源流ですよね。ナウシカや、ラピュタなど、後世の作品たちのエッセンスや構図が感じられました。
ーかつさんのユーザーレビュー(Yahoo!映画)
今作品は、初監督作品にして宮崎駿の拘り抜いたディテールの数々に圧倒されます。
冒頭の銀行強盗のくだりでは、空中を舞う偽札の細やかさに目を奪われます。
クラリス初登場時のカーチェイスは、アニメならではの荒唐無稽さが全開です。しかし、車がしっかりと重力を感じて振り回されるような絶妙なバランスに仕上がっています。
時計台の歯車のパズル的な面白さは言わずもがなですね。ルパン対伯爵のコミカルながらも、一寸先は死を感じさせる緊張感の高い戦闘シーンとなっていました。
今ではそれこそCG技術の発達によって、細やかな表現や複雑怪奇なものを描くことは容易になりつつあります。
それを考えると、当時の手書きの技術でここまでの映像表現を成し遂げたのは、宮崎駿という妥協を許さない職人が監督した所以だと思われます。製作スタッフの苦労も計り知れませんが…
脚本の無駄もなく、初監督作でここまでまとめあげるのはやはり努力と才能の賜物なのかもしれません。
「なんと気持ちのいい連中だろう」
何より各キャラクターの放つセリフにいちいち無駄がない。いずれの台詞も非常に練られており、今や説明不要の、ラスト銭形の言葉は言わずもがな、ルパンの「見るな!」や「俺の懐には…」など、短い台詞の中に込められたメッセージが本当に素晴らしい…。
ーwak******さんのユーザーレビュー(Yahoo!映画)
本映画には忘れ難い名言が数多くあります。
「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました…あなたの心です」
と銭形警部がクラリスに言うセリフはあまりにも有名ですね。
他にも様々な名言がありますが、中でも素晴らしいのが庭師が逃げるルパン、そしてそれを追いかける銭形警部を見ていうセリフ。
「なんと気持ちのいい連中だろう」
ここに本作品の魅力が象徴されているように思えます。
ルパンは怪盗で、決して手放しに賞賛されるような人物ではありません。
しかし、今作品のルパンは弱き者を助け、強き者に果敢に立ち向かいます。
敵が無惨に死ぬときにさりげなくクラリスの目を背けさすなどのさりげない演出の数々に、彼の内なる優しさを感じます。
また、本来敵であるはずの銭形警部もルパンが立ち向かっている相手を知ったとき、手を貸します。
立場の違うもの同士が、それでも許せない「悪」に共に立ち向かう、彼らの魂の戦いが今作品のメインテーマだと思っています。
そこに報酬とかはいらない、自分たちの信念を貫くだけなのです。
その信念は、長年誰も変えることのできなかったカリオストロという国を解放したのです。
そんな彼らを見て思うことは、
「なんと気持ちのいい連中だろう」
ではないでしょうか?
これこそ、今作品がいまだに愛され続けている理由だと思います。
最後、全てが終わり追うもの追われるものの関係に戻ったルパンたちと銭形警部。
しかし、どこか楽しそうな彼らを見ると彼らにどことなく似たものを感じてしまいますね。
つまらない理由は?
原作ファンにとっては不満だらけ?
他のレビューにも書かれているとおり、宮崎駿ファンが、あくまで宮崎駿の一作品として見るのならば、良い映画なのかもしれない。しかし、これをルパン三世の映画として見るのならば、全くつまらない映画と言っても過言ではないと思う。
ーshi*****さんのユーザーレビュー(Yahoo!映画)
本映画は前述したように宮崎駿が監督して作られました。
そのためか、ルパン三世のスケベな部分はほとんどなく、物語も基本的にルパンたちが完全なる正義のヒーローとして展開していきます。
しかし、元々モンキー・パンチが描いた原作はハードボイルドでルパンは暴力も躊躇わない人物として描かれています。性描写ももちろんあり、大人な向けな作品だと言えます。
私たちがよくイメージするルパンは、最初のテレビアニメ放送時に、マイルドに「義賊」な設定とされたことに始まっています。
お茶の間では、こちらの方がウケており、世間的なイメージもこちらが定着するようになりました。
宮崎駿はそこをさらに押し広げたと言っても過言ではありません。
そのため、ハードボイルドな原作が好きな方からすると別物としてつまらないと感じてしまうのだと思います。
前作の「ルパン三世 ルパンvs複製人間」は、ダークで大人向けな作風であったため、余計にそう思われる人が出ても不思議ではありません。
個人的には、ルパンの義賊ぶりばかりに焦点が当たっており、次元や五ェ門がもう少し活躍してほしかったかなという不満点もあります。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
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