風の谷のナウシカ|映画で主題歌が流れない理由は?

 

日本アニメ界の巨匠、宮崎駿2作目の長編アニメーション映画「風の谷のナウシカ
のちにジブリ作品を支える、宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫、久石譲などが関わっており、ジブリの礎を築いた作品となっています。

その主題歌として有名なのが、安田成美の歌う「風の谷のナウシカ」ですが、
実はこの曲は劇中本編で使用されることはなく、シンボルテーマソングとして宣伝でのみ、使用されています。

今回は、なぜ「風の谷のナウシカ」は本編で使用されなかったのかについて紹介していきます。

 

この記事で分かること
  • 「風の谷のナウシカ」の主題歌が劇中本編で使われなかった理由
  • 安田成美のプロフィール
  • 「風の谷のナウシカ」の制作秘話

主題歌が流れない理由は?

出典:remainder.top

映画の世界観との不一致

映画公開前に、主題歌を歌う「ナウシカ・ガールコンテスト」がおこなわれ、安田成美がグランプリを受賞し、「風の谷のナウシカ」を歌うことが決定しましたが、監督の宮崎駿、プロデューサーの高畑勲は、映画の内容と曲があっていないと反対、主題歌として使われることはありませんでした。

しかし、シンボルテーマソングとしてCMなどの宣伝に使用され、多くの人に知られる曲となりました。

この「風の谷のナウシカ」の作曲を担当した細野晴臣は、当初映画の音楽を担当する候補の一人として名前が挙がっていました。
しかし、高畑勲は「熱血漢」がいい、と当時無名だった三十代の久石譲に決めたのでした。
「風の谷のナウシカ」という作品は、宮崎駿×久石譲というジブリを支える最強タッグの最初の仕事でした。

だったら主題歌も久石譲が作曲すればよかったのではと思わなくもないですね

 

歌唱力の問題

これは根拠らしい根拠が見つからなかったのですが、ナウシカガールに選ばれ主題歌を歌うこととなった安田成美の歌唱力が問題だったのではないかと意見もあります。「風の谷のナウシカ」作曲者の細野晴臣が、その歌唱力に苦言を呈し、何度も録り直したと語っているそうです。

それが世界観の不一致につながったのではというのです。

あどけない少女のような安田成美の歌声ですが、少女の声と言えば、作中「ランラン ランララランランラン」というフレーズで有名な「ナウシカレクイエム」という歌が登場します。
こちらも少女の歌声で、訓練されたというよりは、リアルな少女の声という雰囲気があります。

それもそのはず。この歌は当時4歳だった久石譲の娘、麻衣(現在は歌手として活動)が歌っているのです。
王蟲や生き物の純粋性と排除されてしまう無常さを、引き立たせる素晴らしい音楽になっています。

 

かわって、制作陣から不評だったような安田成美の主題歌。

花や木や小鳥の言葉を あなたにも教えてあげたい
何故人は傷つけあうの しあわせに小石を投げて

名作詞家の松本隆が書いた詞は、映画のナウシカの(王蟲とは違った)純粋さや優しさであふれています。
安田成美の歌声で、少女のあどけなさも加わり、今日まで残るジブリの名曲といった感じです。

それでも宮崎・高畑両人は納得いかなかったようです。音楽と映画の関係って難しいですね。

 

余談〈ジブリの礎となったナウシカ〉

この「風の谷のナウシカ」は、当時徳間書店に編集者として勤めていた鈴木敏夫が企画発案の立役者となりました。鈴木敏夫といえば、長年ジブリ作品のプロデューサーを務めているスタジオ・ジブリ第三の顔です。
鈴木敏夫がはじめてアニメ映画に携わり、宮崎・高畑と仕事をした作品が「風の谷のナウシカ」なのです。

鈴木敏夫は、プロデューサーをやりたがらない高畑勲を、生涯で一度だけ怒鳴りつけ、「風の谷のナウシカ」のプロデューサーになるよう説得します。
高畑勲といえば、「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」「かぐや姫の物語」など数々の名作を生みだした名アニメ監督で、宮崎駿と並ぶスタジオ・ジブリの顔です。

さらには、その高畑勲が当時無名だった久石譲を音楽に起用、その後30年続く宮崎駿×久石譲の最強タッグが生まれたのです。

歌手のプロフィール、経歴を紹介

出典:おたくま経済新聞

 

「風の谷のナウシカ」シンボルテーマソング「風の谷のナウシカ」を歌う安田成美のプロフィールです。

安田成美(やすだなるみ)

生年月日:1966年11月28日
出生地:東京都文京区
身長:168cm
血液型:B型
職業:女優・ナレーター・歌手
配偶者:木梨憲武(1994年~)

 
中学在学時にスカウト、その後CMやドラマに出演。
1983年に「風の谷のナウシカ」イメージガールのオーディション「ナウシカ・ガールコンテスト」で応募者約7500人の中からグランプリに選ばれ、「風の谷のナウシカ」を歌うことになります。
しかし、その楽曲は主題歌ではなく、シンボルテーマソングとして宣伝でのみ使用されることになりました。
 
その後、歌手としてアルバムを発売、女優として「同・級・生」「素顔のままで」など数々のヒットドラマで主演を務めます。
プライベートでは映画「そろばんずく」で共演したとんねるずの木梨憲武と1994年に結婚し、3人の子どもを授かります。

 

まとめ

 

ここまで、なぜ「風の谷のナウシカ」が劇中本編で使用されなかったのかをまとめました。
完成された主題歌を「世界観とあわない」と劇中に使用しないことがあるんだ、と思いましたが、完璧主義の宮さん(宮崎駿)ならあり得る話ですね(笑)

しかし、公開から36年たった今でも多くの人が歌えるであろう「風の谷のナウシカ」はまちがいなく名曲と言えるでしょう。

以上、風の谷のナウシカ|主題歌が映画で流れない理由は?についてご紹介しました!

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました