パラサイト 半地下の家族|ネタバレあらすじと結末について考察する

第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルム・ドールの受賞し、第92回アカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネート。作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞しました『パラサイト 半地下の家族』。

世界中から注目を集める作品『パラサイト 半地下の家族』の気になる結末。何故あのような結末だったのか。結末から感じることは・・・?

※ここから先はネタバレがあります。

『パラサイト 半地下の家族』ーあらすじ

キム・ギテク(夫)チュンスク(妻)、ギウ(息子)、ギジョン(娘)しがない内職で日々を繋ぐ一家。酔っ払いが家の前で用を足したり、水圧の関係でトイレが一番高い場所にあり、電波もWi-Fiも弱い環境。

「仕事がないんだ」とギウがエリート大学に通う友人とお酒を交わす中「僕の代わりに大富豪パク家の家庭教師をやらないか?」と代行をお願いされたギウ。給料が高いことを決め手に応じます。

パク・ドンイク(主人)、ヨンギョ(夫人)、ダヘ(娘)、ダソン(息子)が住むパク家の豪邸へ家庭教師として訪れ、ヨンギョは証明書の確認もせず、ダヘの英語の家庭教師として迎え入れます。教え方がうまく、ダヘと恋仲にもなっていくギウが信頼されていく中、ダソンの美術の家庭教師を探していると聞き、ヨンギョに妹のギジョンを紹介しギションをダソンの美術の家庭教師と偽らせ、共にパク家に入り込みます。

ギテクを運転手にするため、夜、車で送ってもらっている際にドンイクが見るであろう車のシートの中へ自分の下着を入れ騙し、ドンイクは誤解をしたまま運転手を解雇。ギジョンはギテクを紹介し、パク家の運転手としてギテクも入り込むことに成功。残すはチュンスクのみ。パク家へ潜り込めるように家政婦ムングァンを追い出すことを計画。桃の毛を浴びせ桃の毛アレルギーを持つムングァンは咳き込みその姿を見たヨンギョへ「結核である」と嘘を述べ、ムングァンを解雇させます。計画がうまくいきチュンスクもパク家へ入り込みます。

暴かれる大雨のバースデー

パク家はダソンの誕生日を祝うためキャンプ旅行へ出発。キム一家は豪邸でお酒を飲んだりどんちゃん騒ぎ。そんな中、家政婦だったムングァンが「忘れ物がある」と訪れ、彼女を家に入れ向かった先は…豪邸にあった秘密の地下室。そこには、ムングァンの夫グンセが生活していました。グンセは家の明かりでモールス信号を送っていましたが、誰も気づきませんでした。勿論、パク家も地下室の存在を知ることなく生活していたのです。

4人が家族であるとムングァンは気づき脅しますが、「大雨でキャンプが中止になったから帰宅している」と電話が入り、慌てたキム一家は二人を拘束し地下室に閉じ込め、急いで部屋を片付け家政婦のチュンスク以外の三人は隠れます。
帰宅し話すヨンギョは「ダソンは昔、夜中にケーキを食べたくなってキッチンに行ったときに幽霊をみてから誕生日家にいるのが怖くなったしまった」ことを打ち明けます。ダンソが目撃したのは地下室にいたグンセでした。三人が隠れるリビングで、ドンイクが悪気なく「どこかで嗅いだことのある匂いだ」と変な異臭に気づきます。隠れていたギテクはその言葉に違和感を覚えます。

そして、パク家が寝静まったのを見計らって豪邸から脱出する三人は半地下の家へ戻りますが大雨により水没状態の家。ギウは石を持ち出し、そのまま三人は近くの体育館で夜を明かすことにしました。

悲劇のパーティー

翌日、パク家はダソンの誕生日パーティーを庭で開こうと企画。サプライズとして雇っている4人、キム一家を呼びます。

パーティー当日にギウは、地下室へ二人を殺すため友人からもらった石を持ち向かいます。しかし、待ち伏せしていたグンセに捕まりその石で殴られ、意識を失い倒れてしまいます。一緒に拘束していたムングァンはその時既に死んでいました。

そのままパーティー会場へグンセは向かい、すぐさまギジョンを刺し、その光景を見てしまったダソンは倒れ、娘のギジョンを心配するギテクはドンイクから車のカギを探して欲しいといわれ助けられない状況に。
チュンスクはグンセをバーベキューの串で刺してしまいます。グンセの臭いに鼻をつまむドンイクの姿を見たギテクはドンイクを刺し殺します。

その悲劇のパーティー後、ギジョンは死亡し、重体だったギウは一命を取り留め、チュンスクと一緒に逮捕。パク家は豪邸を去っていきました。ギテクはというと、世の中からは死んでしまったのではと行方不明でしたが、実は豪邸の地下室で新しい住人の元で生活していたのです。
父親はまだ生きているとギウは信じ、豪邸が見える高台から地下室を見下ろします。もしかしたらそこにいるのではないかと・・・ギテクはギウなら気づいてくれると家の明かりでモールス信号を発信し続けます。そのメッセージを受け取ったギウは「いつかお金持ちになり、地下室にいるお父さんを救うためにも豪邸を買ってやる」と誓うのでした。

『パラサイト 半地下の家族』ー結末についての考察

どんな姿であろうが、たった一人の親だからこそ必ず救い出すと正義感が強く感じ取れる結末でした。みじめになってしまった親の姿を見ているのは心苦しいものだったのでしょう…初めパク家へ忍び込んだのも貧しい家族を救うための資金目当てであり、人を拘束しようが殺してしまおうが、人というものは愛のため守りたいもののためならどんな手でも使ってしまうものなのかと考えさせられました。

きっと手を組んだ相手が他人ならば、父ギテクは気づいてくれると信じ続けられないでしょうし、ギウも「いつか必ず豪邸を買い取り助け出す」なんて思考にならないと思います。家族だからこその決意の表れでしょう。

どんなに手を汚しても姿を変えても自分より醜くなってもたった一人の親であること、かけがえのない家族だということに変わりはないものだということですね。

『パラサイト 半地下の家族』ーまとめ

作品を観るまでは貧しい家族がお金持ちになりあがっていくだけの作品だと思っていました。ですが、後半の誕生日パーティーの場面で雰囲気が一変。スピーディーに起こる展開がより関心を引き付けました。
私は正直、結末に関して複雑なバットエンドを期待していました。(笑)

ある意味ベタな結末の方が作品の波を感じやすくしているのかもしれません。

一つ作品を通じて思ったことは、犯した罪は必ず返ってくるものなんだということ。悪いことだとわかっていても何故か人は、うまくいくと余計な勘違いで小さい罪の成功がより欲をかき乱してしまいます。
時につくべき嘘もありますが、無駄に悪事を計画する暇があるならば、
自分自身が幸せになれる計画をしていった方が後悔もなく周りも自然と幸せになっていくのではなと思いました。

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