2019年12月、フランスの代表的な女優アンナ・カリーナが死去しました。
彼女は、ココ・シャネルに「アンナ・カリーナ」の名をもらい、フランス映画の革新的な運動“ヌーヴェル・ヴァーグ”の象徴となり、元夫ジャン=リュック・ゴダール監督の映画に数多く出演しました。
※ヌーヴェル・ヴァーグとは、1950年代後半に始まった低予算でロケ中心の映画製作運動。
自ら映画製作や歌手活動も行う精力的な生涯を79歳で閉じた彼女のドキュメンタリー映画が、日本で今年限りの公開となるので、紹介していきます。
映画『アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい』あらすじ
1940年9月22日、デンマークで生まれるも、すぐに父母の離婚によって祖母に預けられた。
しかし4歳のときに祖母が亡くなり、親権者や母のもとで暮らすも、家出を繰り返し孤独な少女時代を送ることに。
17歳になると、どこか遠くへ・・・と列車に乗って、たどり着いたフランスのパリが自分の居場所だと感じ、住むことにする。
彼女はスカウトされてモデルを始め、ココ・シャネルと出会い、「アンナ・カリーナ」と命名され、その後もトップモデルとして活躍。
ジャン=リュック・ゴダールに見初めらて女優デビューをし、それ以降も数々のゴダールの映画に出演。
ゴダール映画といえばアンナ・カリーナであり、ヌーヴェル・ヴァーグの象徴となった。
そして1972年、男社会であるフランスの映画界から抜け出し、「リアルな表現をしたい」という思いで脚本や監督、本人出演といった映画をニューヨークで撮影し、女性映画監督のパイオニアとなる。
魅惑的な歌声を生かし、歌手としても海外ツアーなどで日本でも積極的に活動した。
そんなアンナ・カリーナへ、40年に渡るパートナーのデニス・ベリー監督が映画館に彼女を招き、ラブレターとして彼女の軌跡をたどる映画を上映するドキュメンタリー。
彼女への思いと、それを観た彼女が見せる表情は・・・?
映画『アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい』感想・評価
ドキュメンタリー映画「アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい」新宿 K’s cinema で日本公開初日の初回上映回鑑賞。アンナ・カリーナさん、魅力的な俳優さんだなぁ。55分間、魅入りました。#アンナ・カリーナ君はおぼえているかい #アンナカリーナ #デニスベリー#新宿 #ケイズシネマ pic.twitter.com/9yExwymSIn
— 高橋典幸☀ (@NoriyukiJP) June 14, 2020
“デニス・ベリー監督が万感の思いを込めて作り上げた、彼女へのラブレター(本人談)”と謳っているように、生前のアンナ・カリーナ本人へ、そのラブレターを上映できたことは、軌跡的だったのかもしれません。
まさか本作が完成してから彼女が亡くなってしまうとは、誰も予想しなかったでしょう。
アンナ・カリーナは80歳、ジャン=リュック・ゴダールが90歳という節目となる2020年に本作が追悼映画となるとは。
歴代の出演シーンが流れ、微笑んだり涙をするアンナ・カリーナ。
そんな彼女は目が大きく魅力的で、若いころはもちろん、年を重ねても変わらず美しい。
映画撮影中の彼女の貴重な映像も多数あります。
予告でも、ココ・シャネル、ジャン=リュック・ゴダール、セルジュ・ゲンズブール(フランスの音楽界の寵児)の映像があり、彼女が一目置かれる人物であることがわかります。
彼女を愛した映画ファンへの感謝の手紙でもあり、とても感慨深い作品だと思います。
55分という短い映画ですが、ドキュメンタリーになっているので、内容も入り込みやすく観やすいのではないでしょうか。
映画『アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい』公開日は?
映画レビュー「アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい」:ゴダールのミューズにして、ヌーヴェルヴァーグのアイコン、アンナ・カリーナ。その生涯を彼女自身が振り返るドキュメンタリー。
映画遊民 https://t.co/HdXR73yHfn#アンナカリーナ #ゴダール #デニスベリー #外国映画 pic.twitter.com/TGBhVLx2Xx— 映画遊民@沢宮 亘理(映画ライター) (@W_SAWAMY) August 23, 2020
6月13日(土)にK’s cinemaで公開されるのを始め、全国でも順次公開予定となっています。
挿入されている映画や音楽などの権利上、本当は日本での上映はできなかった作品なのですが、今年限りということで日本での上映が決まりました。
下記の全国9か所のシアターでの上映なので、上映劇場をご確認ください。
都道府県 | 劇場名 | 公開日 |
---|---|---|
東北 | ||
宮城 | フォーラム仙台 | 7/24(金) |
関東 | ||
東京 | K’s cinema | 6/13(土) |
神奈川 | 横浜シネマリン | 近日公開 |
栃木 | 宇都宮ヒカリ座 | 8/22(土) |
中部 | ||
愛知 | センチュリーシネマ | 近日公開 |
長野 | 長野相生座ロキシー | 7/18(土) |
近畿 | ||
大阪 | シネ・リーブル梅田 | 7/10(金) |
京都 | 京都シネマ | 近日公開 |
兵庫 | 元町映画館 | 近日公開 |
映画『アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい』まとめ
フランス映画には馴染みがない人もいるでしょう。
映画をも芸術とするフランス映画は上品でありながら、少し独特かもしれません。
しかし、アンナ・カリーナというフランス映画の伝説的な女優が亡くなり、いま注目の映画になっているかと思います。
彼女のファンも、フランス映画に興味がある方も、一度観てみてはどうでしょうか?
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