映画『日日是好日』は、2018年に公開された映画で、森下典子の自伝エッセイ『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』を原作とした作品です。
主演は人気実力派女優の黒木華が務め、樹木希林と多部未華子の個性派女優たちが脇を固めています。
監督・脚本は『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』『さよなら渓谷』などで高い評価を受けた大森立嗣が務めています。
本作は、茶道教室の武田先生役を演じた樹木希林さんの遺作でもあり、注目を集めている作品です。
今回はそんな話題の映画『日日是好日』の映画のネタバレ感想まとめと樹木希林さんの評価についてまとめてみました。
感想まとめ【キャラクター&キャストについて】
それでは、本作のキャラクターやキャストについて紹介します。
典子/黒木華
「私中学の時に家族で「道」っていう映画を観に行ってすごくつまらなかった、この前「道」観たらすごく良かった。あの映画を観て感激しない人生なんてつまらないと思う」
日々是好日の中の黒木華さんのセリフ。https://t.co/Kms7WqxRiz— 川下直広 (@NaoKawashita) September 15, 2019
従姉妹の美智子と一緒に茶道教室に通い始めます。
20歳から40代になるまで人生を茶道とともに歩み、人生において大切なことを学びます。
表情で見せる演技も素晴らしく、普段あまり見ることのない40代を演じているところにも注目です。
武田先生/樹木希林
映画『日々是好日』にて、樹木希林さんの台詞を聞いて泣いてる。
『あたし最近思うんですよ。
こうして毎年同じことができるってことが幸せなんだな~って』— TomomiArai@CP部員 (@TomomiArai72) March 23, 2020
タダモノじゃないと評判の一人暮らしの茶道教室の先生です。
多くを語りませんが、茶道を通し大切なことを教えてくれます。
さりげない演技の中でも存在感の大きさを感じます。
樹木希林さんの放つ言葉には重みがあり、深く心に残ります。
美智子/多部未華子
「日々是好日」を見た。
内容は言わずもがな、本編途中にある多部未華子のフェードアウトの仕方がとても物悲しかった。とても自然に主人公との距離が離れていく。
本人も最初は寂しがっていたが、時間が経つにつれてだんだんと思い出す頻度が少なくなっていく。人との出会い別れってこんな物なのかも。— やなぎだ (@KellyYana786) June 28, 2020
典子と同い年の従姉妹です。
典子を誘い茶道を始めますが、先に茶道を辞めてしまいます。
典子に比べ、性格も明るく積極的で、何事にも前向きです。
多部未華子さんが登場するシーンは自然と華やかになり、作品の前半で盛り上げてくれています。
感想まとめ【演出や脚本について】
本作では、演出で訴えてくる場面が多く、それを演じた樹木希林さんへの評価も高かったです。
季節の移ろいを五感を使って全身で味わう
#Aimer_映画部
「日々是好日」鑑賞3
24年の月日の中で何一つ変わらない樹木希林さんと絶妙に歳を重ねていく黒木華さんの落差
変わっていくモノと変わらないモノの対比として
「日々是好日」の1つの大きな演出になっている
素晴らしかった— silverlining→bluesky (@silverlining_bl) November 11, 2018
作中は、季節の移り変わりを通し、静かに時間が流れていきます。
雨の日は雨を聴き、雪の日は雪を見て、夏には夏の暑さを、五感を使って全身で感じる。
そんな日常で味わう幸せを教えてくれています。
そのことを、さりげない所作や演技の中でうまく表現した樹木希林さんへの評価は高く、様々な感想が寄せられていました。
映画「日日是好日」の樹木希林が良すぎて心の余裕が爆発的に拡張した…四季を感じる心…
— ずけ (@zzzuke) June 24, 2019
昨日、映画「日日是好日」を見た。樹木希林の茶室に入る際のお辞儀、ただ正座で座っている様、お茶の所作に涙がこぼれた。
ただそこに居るだけで放つものに
圧倒されたんだな。— Ma-i (@maimbear) January 2, 2020
一期一会を語る樹木希林さんの言葉の重み
本作で重要な場面の一つに終盤のお茶会前のシーンがあります。
そこでは武田先生が「同じ茶室で同じお客様だとしても同じお茶会は二度とこない」と一期一会の精神を語っています。
本作が遺作となってしまった樹木希林が語る「一期一会」は鑑賞をした人達の心にも深く残っているようです。
映画「日日是好日」。樹木希林さんの生前か没後に観るかで、見え方が変わっていただろう。没後上映だっただけに、彼女の表情・しぐさ・言葉を一つも逃すまいと集中して観る。希林さんの存在感のさりげ無さ、それでいてその存在感の大きさを感じる。 pic.twitter.com/v1CBsVu5j4
— 旅するランナー (@tabirun) December 1, 2018
このように俳優のもつ存在感を最大限に生かしながら、静かな時間とともに流れていくストーリーを飽きずに見ることができるのは、監督である大森立嗣さんが脚本も担当していることも影響しているのではないでしょうか。
感想まとめ【ストーリーやテーマについて】
世の中には、「すぐわかるもの」と「すぐわからないもの」の2種類がある。
#日々是好日
茶の精神から入るかと思いきや「形から入れば良いの、体で覚えるの」と言う樹木希林の軽妙さ。繰り返す所作が厳かに美しくなっていき、精神が宿り始める様が茶室から見える景色と聴こえる音で表される。
二度と戻らぬ季節と繰り返す日常が交錯する日日。樹木さんとの一期一会を噛み締めた pic.twitter.com/CYHgyq7nwo— Tom@映画垢 (@movie_watcjer) September 7, 2019
真面目で理屈っぽい性格の典子は、母の勧めと、従姉妹の美智子の後押しもあり、武田先生の教える茶道教室に美智子と2人で通うことになります。
茶道教室の初日、意味も理由も分からない所作を教わり、それに戸惑った2人はどのような意味があるのかと疑問を投げかけます。
そんな2人に対し、武田先生は「意味なんてわからなくていいの」と諭します。
「お茶はまず『形』から。先に『形』を作っておいて、その入れ物に後から『心』が入るものなのよ」
この言葉は、作品全体を通して伝えたかったメッセージの一つでもあると思います。
映画『日日是好日』の公式ページにも以下の言葉が記されています。
世の中には、「すぐわかるもの」と「すぐわからないもの」の2種類がある。
すぐにわからないものは、長い時間をかけて、少しずつ気づいて、わかってくる。
子どもの頃はまるでわからなかったフェリーニの『道』に、今の私がとめどなく涙を流すことのように。
(『日日是好日』の公式ページより引用)
大学卒業後、別々の道を歩むことになった典子と美智子ですが、美智子がお茶を辞めた後も典子は一人お茶を続けます。
希望通りの就職も叶わず、恋人からの裏切りにあったり、最愛の父の死を経験したりと、作品の後半では典子の24年間の人生が描かれています。
典子はお茶を通じ、また不器用な自身の人生を通して武田先生の言葉の意味を少しずつ理解していくのです。
それは、本作のタイトルにもなっている『日日是好日』の意味にも繋がっていきます。
『日日是好日』とは?
日々是好日(ひびこれこうじつ)
どのような日でも毎日は新鮮で最高に良い日だという意味
雨の日も風の日も、その時の感情や状態を大いに味わって過ごせば、かけがえのない日になる。今日を最高に生きてますか?— あきら (@Akira54362068) September 4, 2020
茶道教室に通うことになった典子と美智子は茶室に飾られた『日日是好日』と大きく書かれた書を目にしますが、言葉の深い意味を理解できず、毎日楽しいことではないかと解釈します。
しかし作品の終盤、40代になった典子が再び『日日是好日』の書を目にする場面では、20代の頃に感じた楽しいとは異なる気持ちがありました。
楽しい時も辛い時も、お茶とともに人生を積み重ねてきた典子は、困難なことが起こっても、それらを丸ごと受け止めて楽しんで生きていくという大切な生き方を学んだのでした。
作品を鑑賞した人達もそれぞれに『日日是好日』の意味を感じ取っているようでした。
映画「日日是好日」観た。琴線に触れるところが多くて結構ずっと泣いていた。四季のうつろい、ゆっくりながらも的確に積み重なる時間。雨の音や光の揺らぎに涙が出る。「世の中にはわかりやすいものとわかりにくいものがある」わかりにくさ、に属する自覚があるので、そこへの共鳴もあった。
— あめみやあすか (@pizzicato720) August 30, 2020
映画「日日是好日」を観た。こんな世の中だから、身に染みる。毎年同じことができることが幸せ。毎日を良いことも悪いことも、ありのままに受けとめる。毎日が良い日。一期一会。心に響く映画だった。
— BAR 梅ノ香(ウメノコウ) (@bar_umenokoh) August 30, 2020
日日是好日丨映画のネタバレ感想まとめ!樹木希林さんの評価は?のまとめ
今回は映画『日日是好日』の映画のネタバレ感想まとめと樹木希林さんの評価についてまとめてみました。
本作は、「すぐわからないもの」でも、長い時間をかければ、少しずつ気づいて、わかってくることがあることを、茶道を通じて教えてくれています。
それは、「一期一会」の精神で、どんな時でも今を大切に楽しんで生きる積み重ねでもあり、本作のタイトル『日日是好日』の言葉の意味にも通じていました。
樹木希林さんの圧倒的な存在感溢れる演技への評価も高く、注目の映画です。
是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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