寝ても覚めても|映画と原作小説のラスト結末の違いはある?

 

芥川賞作家・柴崎友香さんの恋愛小説「寝ても覚めても」を、東出昌大さんと唐田えりかさん主演により映画化された、映画「寝ても覚めても」。

4人の女性の日常と友情が描かれた作品ですが、映画と原作小説ではそれぞれ違った結末が描かれているのか、そうではないのか、映画や原作ファンは気になりますよね。

 

今回は、映画「寝ても覚めても」で描かれた結末と、原作小説での結末の違いについて調べてみました。

 
この記事で分かること

・映画の原作は、柴崎友香さんの同名恋愛小説「寝ても覚めても」だった。

・朝子が亮平と再会する過程、朝子と良平が最後に話した場所が、映画と小説では違った。

・串橋は映画オリジナルキャラクターだった。

 

寝ても覚めても|映画の原作はある?

出典元:YouTube予告映像
 

映画の原作は同名恋愛小説「寝ても覚めても」

出典元:amazon

 

映画「寝ても覚めても」の原作は、柴崎友香さんの恋愛小説「寝ても覚めても」です。

物語の内容は映画と同じで、大阪から東京に引っ越した主人公・朝子が、自身が働くカフェのコーヒーを届けた会社に、忘れられない恋人と同じ顔をした亮平と恋に落ちます。

原作小説は2010年9月21日に河出書房新社より発行され、2014年5月に河出文庫より文庫されました。

さらに、この原作小説「寝ても覚めても」は、柴崎友香さんが第32回(2010年)野間文芸新人賞受賞作でもあるのです。

そんな有名な作品が、実力ある俳優・女優が主演を務めることで映画化されたなんて、原作ファンも東出昌大さんたちのファンも大いに喜ばれたことでしょう。

 

原作者・柴崎友香さんについて

「寝ても覚めても」の原作者・柴崎友香さんです。

1973年10月20日生まれの46歳で(2020年9月時点)、大阪府大阪市大正区出身の柴崎友香さんは、出身校の大阪府立岡高等学校に通っていた頃から、小説を書き始めました。

長年にわたって小説を書き続けるエネルギーをくれたのは、小学校4年生の教科書に載っていたジャン・コクトー作の「シャボン玉」という詩だったそうです。

柴崎友香さんは大阪府立大学総合科学部国際文化コース人文地理学専攻を卒業後は、4年ほど機械メーカーの会社のOLとして働き、1999年に短編小説「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」が「文藝別冊 J文学ブック・チャートBEST200」に掲載されたことで作家デビューされました。

2004年に単行本デビュー作「きょうのできごと」が、田中麗奈さんと妻夫木聡さん主演で「きょうのできごと a day on the planet」というタイトルで映画化され、2006年に第24回咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞します。

さらに「その街の今は」という作品は、第23回織田作之助賞大賞を受賞し、第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞されました。

そして、芥川賞作家となったのは、2014年に「春の庭」という作品で第151回芥川龍之介賞を受賞されたからです。

 

「寝ても覚めても」の番外編が存在した

https://twitter.com/netesame_movie/status/1004152269955141632?s=20

実は、映画公開に合わせて作られた番外編「同じ街の違う夜」が、「寝ても覚めても」の増補新版に収録されていたのです。

この番外編「同じ街の違う夜」は、東京都出身の漫画家・森泉岳土さんによる漫画とコラボした短編作品となっています。

「同じ街の違う夜」の内容は、東京・渋谷を舞台に、主人公が10年前に少しの間住んでいた東京に再び上京し、10年前と今の街並みを比べながら当時の友達との会話や出来事を思い出していくというものです。

「寝ても覚めても」の会話の中で登場した麦の妹・米(まい)も登場するそうなので、読んでみたい方はぜひ「寝ても覚めても 増補新版」を買ってみてください。

 

寝ても覚めても|映画と原作のラスト結末の違いは?

出典元:YouTube予告映像

映画版と小説版の違い①亮平に会う過程

出典:映画.com

 

映画版では、朝子は引越しを終えた亮平の所へ会いに行きましたが、小説版では東京に戻ってきた朝子が歩いている時に偶然亮平と再会したのです。

小説版に描かれた結末だと、「千佳」という女性と腕を組んで歩いていた亮平に対し、朝子は千佳の存在も気にせず堂々と「亮平が好き」と告白しています。

そもそもラストシーンで、朝子が亮平とどう会ったかが、映画版と小説版で違ったのですね。

 

映画版と小説版の違い②最後に亮平と朝子がいた場所

出典元:YouTube予告映像

 

「寝ても覚めても」のラストシーンでは、東京に戻ってきた朝子が麦ではなく、亮平を選んで、亮平に会いに行ってその思いを告白するところまでは映画版と小説版どちらも一緒です。

しかし、亮平と朝子が最後にいた場所が映画版と小説版の違いでした。

小説版では、道端で再会した亮平に、朝子は冷たく突き放されてもその後ろをついていった結果、雨で水滴が滴った街中で亮平に対する想いを告白しています。

亮平はそのまま朝子の気持ちを聞いて、朝子の顔や濡れた木や道や色鮮やかな空を眺めていたと記されていました。

映画版では、大雨の中一緒に飼っていた猫を探す朝子を冷たく突き放した後、亮平は朝子を置いて部屋の中に入ってしまうのです。

朝子は亮平とこのまま別れるのは嫌で、ドアノブを回してみると鍵はかかっておらず、そのまま部屋の中へ入っていきます。

そして、亮平は入ってきた朝子に対し、「お前のことを俺は一生信じられない」と告げるのです。

 

最後の最後で、亮平と朝子がどこで話していたか、その場所が映画版と小説版では違ったのですね。

 

亮平の同僚・串橋は映画オリジナルキャラクターだった

出典元:映画.com

 

そもそも亮平の同僚・串橋は、映画オリジナルキャラクターだったのです。

小説版では、瀬戸康史さん演じる串橋というキャラクターは存在していません。

小説版では朝子に関わる人間が多く登場しますが、亮平に関わる人間はほとんど登場していないようです。

串橋は小生意気でやる気がなさそうなキャラクターですが、亮平側の串橋が登場することによって、亮平の人間性などがより色濃くなる効果がある、重要なキャラクターでもあります。

串橋は最後、朝子の友人・マヤと結婚して父親になりましたが、そのおかげで少し尖った性格が丸くなり、一気に愛すべきキャラクターとなっていましたね。

個人的には、串橋も小説にいるものだと思っていたので、この違いを知った時には少し驚きました。

 

寝ても覚めても|映画と原作のラスト結末の違いは?のまとめ

 

さて、映画「寝ても覚めても」の原作小説についてや、映画と小説のそれぞれ違った結末についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

 

映画と原作小説「寝ても覚めても」では、少し違った結末が描かれていることを知ったら、映画「寝ても覚めても」ファンは小説も読みたくなってしまいますね。

これをきっかけに、映画も原作小説もファンが増えたら嬉しいです。どちらも最高の作品なので、両方見ても感動すること間違いなしでしょう。

 

以上、寝ても覚めても|映画と原作小説のラスト結末の違いは?についてご紹介しました!

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

 
 
 
 

コメント

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