映画「スパイの妻」は2020年10月16日(金)より劇場公開されています。
この映画は2020年6月にNHK BS8Kで放送された同名ドラマを新たに劇場版とした作品です。
海外でも注目されている作品で、「第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門」や「第68回サン・セバスチャン国際映画祭パールズ部門」に正式出品されています。
監督は黒沢清さん、キャストには蒼井優さん、高橋一生さん、東出昌大さん、坂東龍汰さんと豪華な顔ぶれが集結しています。
夫が国家機密を知ってしまったことから、愛と正義に揺れる夫婦の姿が描かれていく物語です。
今回は、スパイの妻劇場版について作品内容と感想評価についてご紹介していきます!
- スパイの妻劇場版の作品内容
- スパイの妻劇場版の感想
- スパイの妻劇場版の評価
1940年、太平洋戦争前夜の神戸。
貿易会社を営む福原優作(高橋 一生)は物資調達のため満州へ渡航する。
そこで偶然、恐ろしい国家機密を知ってしまった。
優作は正義感が強い性格から、この恐ろしい国家機密を世に知らしめようとする。
この映画の主人公は、優作の妻である福原聡子(蒼井優)。
聡子は反逆者と疑われる優作を信じている。
世間にスパイの妻と罵られようとも、その身が破滅することも厭わず、愛する夫を支え、共に生きることを心に誓う。
この映画は優作が満州から帰ってきた所から不穏な空気を醸し出します。
優作が満州から連れ帰った謎の女。
油紙に包まれたノート。
金庫に隠されたフィルム…
聡子の知らぬところで別の顔を持ち始める優作はスパイという疑惑も…
そんな夫を聡子は信じられるのでしょうか?
スパイの妻劇場版|面白い理由は?
凄いものを観たという余韻が残る作品
『スパイの妻』ヴェネツィアで銀獅子賞受賞したのと信頼筋の大絶賛を目にしてほぼ予備知識も粗筋も知らず鑑賞。邦画から距離を置いてたので随分久しぶりに日本作品を観た事になる。期待値は言っても底辺。しかし観終わった後は凄いものを観たという興奮で溢れていた。本当に見事としか言いようがない。 pic.twitter.com/cae9IjUnFi
— end (@end_319) October 18, 2020
・最初から手に汗握る緊迫感があった凄い作品だった!
・つまらない瞬間が一瞬もないくらい、終始入り込めた。
・黒沢清監督の世界観が見事に表現されていた。
舞台は1940年代前半の物語。
平和な時代から戦争という波乱な時代に突入していきます。
平穏な日常を送っていた優作と聡子。
しかし社会は個人を尊重しなくなる時代に変わっていきます。
普通であったことが普通ではない状態となる世界。
2人はこの現状からの脱出を試みるべきか、それとも停滞するのかという選択に迫られていきます。
この狂乱の時代に、正気を保つことは決して容易なことではありません。
この夫婦はどのような選択をするのか、選択をさせられるのか…緊迫状態が終始続き手に汗握るこの作品。一瞬たりとも見逃せない作品です!
また黒沢監督は、1940年代の激動の時代を忠実に再現することへのこだわりが感じられる作品となっています。
黒沢監督は「すべてデジタルで撮っているんですけど最終的には白黒のフィルムっぽく加工しています。」と語っており、その色彩からも混沌とした時代背景が表現されています。
劇場で体感したくなります。
キャストの演技力に感動した!
黒沢清監督「スパイの妻」観た。黒沢清の新作がスクリーンで観られて大満足。サスペンスというよりは人間ドラマだが、いろいろな角度から考察できる映画だと感じた。主要キャスト3人が、もうこの3人しかあり得ないでしょ、というくらいハマっていてしっかりと没入することができた。
— yuichi nakasone (@sonechiko) October 21, 2020
・気品があり芯の強さがある聡子(蒼井優)は怖くなるくらい真っ直ぐだった。
・優作の掴みどころのない優作(高橋一生)が怪しく魅力的だった。
・神戸憲兵分隊長の津森(東出昌大)の不穏さが素晴らしかった。
主演の蒼井優さんは、「あのような光景はどんな時代にもあると思っています。私はセリフ通りに生きていました。」と語っています。
考えすぎず感じたままの演技が聡子をリアルに、現代の私達にも共感する部分を持たせてくれています。
夫役の高橋一生さんは演じるにあたりその時代の所作やセリフ回しなども研究したようですが、それを再現するのではなく、自分なりに解釈してきちんと表現することを念頭に演じられたそうです。
東出昌大さんはこれまでも黒沢監督の数々の作品に携わっています。
黒沢監督は東出さんのことをいい意味で普通の人間じゃない感じがいいと語っており、今回の東出さんの役柄も、不穏な雰囲気が漂うこの映画にハマリ役です。
スパイの妻劇場版|つまらない理由は?
怖すぎて耐えられない作品
#スパイの妻 、NHKが本気で作った時の戦争ドキュメントくらいの怖さがある。Nスペや映像の世紀で慣れてる人なら耐えられる。しかし私は途中数分目を閉じました、ごめんなさい。本当にこわいです。
— さとひ/渡辺裕子(わたなべひろこ)←仕事用 (@satohi11) October 21, 2020
この映画は元々はNHKで放送されており、戦争で起こった出来事を描いているシーンは目を背けたくなります。
またその中で生きなければならない生身の人間が投影されている作品です。
今の時代では考えられない実態、かつ実際にあった戦争の恐ろしさを体感することになります。
この映画のラストに感じる疑問
本日 #スパイの妻 観てきたんだけど、あのラストは、え?どういうことなんだ?待って、え?何を信じれば?
— さいかろ (@karokarosaisai) October 23, 2020
この映画の良さでもあるラストの部分は観る人の考察が必要となります。
そのためスッキリしないという感想もあります。
SNS上でも最後のシーンについてはいろいろな憶測や感想が飛び交っています。
見終わった後に自分はどう感じたか、人はどう感じたのかについて、考えを巡らせて映画の余韻を楽しみたくなります。
スパイの妻劇場版|面白い?つまらない?理由は演技力にある?のまとめ
この映画は1940年代の激動の時代背景に忠実に、平和な時代から戦争という時代の荒波の中で、自らの信念と愛を貫く主人公の聡子の姿を描いた作品です。
蒼井優さんと高橋一生さんは「ロマンスドール」に続いて今回も夫婦役を演じています。
ふたりの息はぴったりで、夫婦の心情の変化を繊細に表現されています。
また東出昌大さんは憲兵の分隊長を演じ、確かな存在感などキャストの評価が高い作品です。
『スパイの妻』観た、緊張の糸がほとんど切れず、息を呑んで呑み尽くして呼吸が危うくなった…巧みな脚本と不穏さを煽る切り替えの妙に加えて、何より演技の応酬ぶん殴り合いよ…ラスト含めて監督が蒼井優を信頼し切っているのがわかるし高橋一生との呼吸の合い方がもう阿吽…とても良い映画体験でした pic.twitter.com/gj54kZVqVn
— おゆろ (@Uro__is) October 17, 2020
この映画は観終わった後の余韻も楽しめる作品です!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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