ある画家の数奇な運命|映画のネタバレあらすじ結末は?

 

2020年10月に日本でも公開された映画「ある画家の数奇な運命

戦中から戦後のドイツに生きる画家、クルト・バーナートの身の上に起こる数々の災難を乗り越え、自由の為に愛する女性とともに、芸術に邁進していく物語です。

恋愛映画としてだけでなく、一種の伝記映画として、あるいは芸術映画としても楽しめる、188分の物語のあらすじや見どころをまとめました。

 

この記事で分かること

・ある画家の数奇な運命のあらすじ

・ある画家の数奇な運命の見どころ

・ある画家の数奇な運命の評価

ある画家の数奇な運命丨予告動画

ある画家の数奇な運命丨作品情報

タイトルある画家の数奇な運命
原題Werk ohne Autor
日本公開日2020年10月2日
上映時間188分
ジャンル恋愛ドラマ
監督フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
脚本フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
製作

クイリン・ベルク

フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

クリスティーネ・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

ヤン・モイト

マックス・ヴィーデマン

製作総指揮不明
製作国ドイツ
配給

独:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ

日:キノフィルムズ

ある画家の数奇な運命丨主な登場人物(キャスト)

出典:映画.com
クルト・バーナート(トム・シリング)
絵を描くことが好きで美術学校に進学した青年。
 
カール・ゼーバント(セバスチャン・コッホ)
婦人科医。ナチス政権下の親衛隊名誉隊員。エリーの父親。
 
エリー・ゼーバント(パウラ・ベーア)
クルトと同じ美術学校の服飾科に所属している女性。クルトの伯母にどことなく似ており、それがきっかけでクルトと恋に落ちる。
 
エリザベト・マイ(ザスキア・ローゼンダール)
クルトの伯母。絵が好きなクルトをよく美術館に連れて行っていた。
精神が不安定になり、統合失調症を診断され、その後ナチス政権の政策により安楽死する。
 

ある画家の数奇な運命丨ネタバレあらすじ(ストーリー解説)

ある画家の数奇な運命

出典:映画.com

(ある画家の数奇な運命)のあらすじ(ストーリー)を結末まで分かりやすく解説しています。一部ネタバレ要素を含む場合もございますのでご注意下さい。

ある画家の数奇な運命丨あらすじ 【起】

1937年第二次世界大戦下のドイツ。

クルトの父は、生きていくために自身の思想とは違うナチ党の党員になりました。

絵を描くことが好きな少年クルトは、叔母のエリザベトに連れられ、美術館によく足を運んでいました。

しかし繊細なエリザベトは精神が不安定になり、統合失調症と診断されます。

ヒトラー政権当時、身体障がい者や精神障がい者は、アーリア人の遺伝子を劣化させるものとして安楽死プログラムと呼ばれた政策によって殺害されていました。

親衛隊名誉隊員であり、婦人科医のカール・ゼーバントのもとに連れていかれたエリザベトは「遺伝子を劣化させるもの」の烙印を押され、1945年2月、ガス室で安楽死させられました。

戦争が終わり、東ドイツで看板を書く仕事をしていたクルトでしたが、画家の夢を諦められず、美術学校の進学を決めます。

 

ある画家の数奇な運命丨あらすじ 【承】

1951年、画家の夢を叶えるべく、クルトは東ドイツドレスデンの美術学校に進学しました。

そこでクルトは、同じ学校の服飾科に通うエリーと出会います。

エリーは死んだ叔母エリザベトにどこか似ており、クルトはすぐに彼女に惹かれました。

戦後ようやく夢に向かって歩み始めたクルトは、父が自殺したことを知ります。

生活の為に自らの思想を曲げてナチ党に入党しましたが、ドイツの敗戦によりヒトラー政権は崩壊、父はナチ党員であったせいで職を失ってしまったのです。生きる意味を見失った父は自ら命を絶ったのでした。

クルトはその悲しみや苦しさを絵にぶつけ、制作に没頭します。

そんな時、エリーの妊娠が分かりました。それを機に結婚しようとした二人でしたが、エリーの父にひどく反対され、「エリーは胎児をおろさないと危険な体である」と嘘をつかれ、二人はお腹のこどもを失ってしまいます。

そのエリーの父こそが、エリザベトを死に追いやった婦人科医カール・ゼーバントだったのです。

しかしそのことはクルトもカール・ゼーバント自身も知りませんでした。

 

ある画家の数奇な運命丨あらすじ 【転】

1956年、卒業制作が評価されたクルトは歴史博物館の壁画制作を任されました。

カールは安楽死プログラムの件で再度罪に問われる可能性があり、西ドイツに逃亡することになりました。

それを機にクルトとエリーはついに結婚します。

壁画制作をおこないながらクルトは社会主義への懐疑心が深まり、創作意欲が低下していました。

そして思い切って西ドイツへ亡命することを決めます。

西ドイツの美術学校でドイツアートの巨匠フェルテン教授の影響を受け、これまでとは打って変わって創作意欲が沸き上がります。

 

ある画家の数奇な運命丨あらすじ 【結末・ラスト(ネタバレ)】

フェルテン教授から作品を見てもらえることになったクルトでしたが、「これは君じゃない」と一蹴されてしまいます。

次の日からクルトは心を入れ替え創作に向かいます。しかし筆は思うように進みません。

息詰まったクルトは、ナチ党安楽死プログラム最高責任者の逮捕の記事を目にします。

叔母エリザベトの「真実はすべて美しい」という言葉を思い出したコルトの筆はふたたび動き出します。

完成した作品を見たカールはすべてを察し、狼狽します。

この作品は多くの人に評価され、個展を開くまでになりました。

諦めていたエリーとの子も授かったクルトは、画家として父としての人生を歩んでいきます。

 

ある画家の数奇な運命丨見どころ

ある画家の数奇な運命

出典:映画.com

実話をもとにした作品

主人公クルトのモデルは、ドイツ最高峰の画家といわれるゲルハルト・リヒターです。

監督が映画製作を交渉したところ、1か月の取材が承諾されました。

リヒターから出された条件は2つ。

・人物名を変えること

・どれが事実でどれがフィクションかは絶対に明かさないこと

伝記映画には珍しいやり方ですが、そのミステリアスさが一つの魅力となっています。

 

高い評価

第75回ヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞にノミネートされています。

ゴールデングローブ賞では外国語映画賞、アカデミー賞では外国語映画賞、編集賞に複数ノミネートされました。

ドイツ語映画がアカデミーで複数部門ノミネートされたのは「U・ボート」以来2度目の快挙です。

今作は、恋愛ドラマとしてだけでなく、敗戦後のドイツの表現、画家クルト(ゲルハルト・リヒター)の人生を描く伝記映画としても高く評価されています。

緻密に作られた、一種の芸術映画といえます。

 

ある画家の数奇な運命丨ネタバレあらすじ、見どころのまとめ

 
 
重い雰囲気を醸しながらも、真実を見つめ自由であろうとするクルトの目を通して戦中、戦後のドイツが美しく描き出された映画「ある画家の数奇な運命」
188分という長い上演時間だからこそ、命や真実の重みを重厚に描き出すことに成功しています。
専門家からの高い評価を受けた今作は、少ないながらも日本の映画館で上映中です。
 
 
以上、「ある画家の数奇な運命|ネタバレあらすじ結末は?」についてご紹介しました!

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

コメント

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