「キャプテン・フィリップス」は、2013年にアメリカで製作された映画です。
2009年に起きた「マースク・アラバマ号乗っ取り事件」が題材になっており、海賊に人質としてとられたリチャード・フィリップスが主人公となっています。
主役のフィリップス船長を演じているのはトム・ハンクスです。
この記事では、映画「キャプテン・フィリップス」のネタバレあらすじを結末までご紹介していきたいと思います!
「キャプテン・フィリップス」主な登場人物(キャスト)
リチャード・フィリップス(トム・ハンクス)
ケニアへの救援物資を運ぶ貨物船マースク・アラバマ号の船長。アメリカに妻と子供がいます。
アブディワリ・ムセ(バーカッド・アブディ)
ソマリアで漁師をしていた青年です。生活のために、軍閥から海賊になる事を強要されます。
アダン・ビラル(バーカッド・アブディラマン)
ムセの海賊グループの中の最年少メンバー。
ノール・ナジェ(ファイサル・アメッド)
ムセの海賊グループのメンバーの一人です。気性の荒い性格。
フランク・カステラーノ(ユル・ヴァスケス)
アメリカ海軍・ミサイル駆逐艦のベインブリッジの艦長です。
「キャプテン・フィリップス」あらすじ解説
では、「キャプテン・フィリップス」のあらすじを、起承転結の順に追いながら結末までご紹介したいと思います。
キャプテン・フィリップスのあらすじ 起:アラバマ号に迫る海賊の影
リチャード・フィリップス船長は、ケニアのモンバサ島行きの貨物船での仕事を控えていました。
家族をアメリカに残して飛行機へと乗り込み、貨物船マースク・アラバマ号に乗船するために港へと向かうのです。
一方、ここはソマリアの海辺の村。
将軍の命によって村の男達が選抜され、海賊となって金を稼ぐよう強要されています。
ムセもその中の一人。彼は軍閥の手先が自分たちを仕切っていることに不満を覚えますが、彼らは生活のために、船を襲いに海へと出ていくのです。
港に着いたフィリップスはマースク・アラバマ号に乗り込みました。
船はソマリア海域を通過することになっていますが、その辺りは海賊による被害が多発しています。フィリップスは警備状況を念入りに確認し、警戒を強めながら航海を続けます。
しかし、単独航海しているアラバマ号を狙って海賊がとうとう接近してきます。ソマリアを出発したムセ達です。
レーダーの感知を受けたアラバマ号は警戒態勢をとりますが、ムセの指揮するボートは接近してきます。
しかし、ムセのボートのエンジンの故障によって間一髪、襲撃は免れました。
キャプテン・フィリップスのあらすじ 承:ムセたちの侵略
翌朝、再び接近してくるムセ達に気づき、フィリップスは連邦海事局に連絡しました。
アラバマ号は必死に抵抗するも、とうとう海賊達の乗船を許してしまいます。
フィリップスは船員達を機関室の底に隠し、指示をするまで出てこないように言いました。
4人の海賊が乗り込んできた次の瞬間、リーダーのムセが銃を突きつけて金を要求してきました。
船員が見当たらないのを不審に思い、「ブリッジに残っている人質を殺す」と脅すムセを、フィリップスが説得。そして船内を調べる案内役に自ら当たります。
2人の海賊とフィリップスで船内を捜索している最中、隠れている乗組員達と連携してうまく誘導し、海賊グループ最年少のビラルの足に怪我を負わせました。
怪我の手当てをしようとフィリップスはビラルとブリッジに戻って行き、ムセは一人で船内の捜索を続けます。
しかし船内の電気が落とされしまい、暗闇に手こずります。
その時、潜んでいた船員達が一斉に攻撃を仕掛け、ムセを捕らえました。今度は船員達がムセを人質に取ったのです。
フィリップスは、金庫に入っている3万ドルで手を引くよう海賊側に持ちかけました。
ムセは承諾しました。
互いのリーダーを解放した後、3万ドルを持って身を引くことにしましたが、海賊の中のただ一人、ナジェだけはその金額に納得していませんでした。
怒ったナジェは、ムセの解放後の隙を狙ってフィリップスを拉致し、救命ボートで逃走してしまいます。
キャプテン・フィリップスのあらすじ 転:フィリップスとムセ
アラバマ号がフィリップスを乗せた救命ボートの後を追う最中、アメリカ海軍・ベインブリッジ艦も通報を受け、事態を知ります。
慎重に事を進めたいフランク艦長は、救命ボートにベインブリッジを接近させ、フィリップスの解放交渉を試みます。
しかし結局うまくいかず、この時には海軍特殊部隊のSEALsも、どんな手段を使っても早急に救出する方針にて動き出していました。
その夜、ムセはフィリップスに語りかけます。自分たちが元々は漁師であること、その漁場が他国の船に荒らされたために自分たちの生活が脅かされていること…
事情を聞いて身につまされる想いになったフィリップスは説得を試みますが、今更もう後に引けないとムセは応じません。
そこに警笛が聞こえてきます。アメリカ海軍が追いついてきたようです。
SEALs側の突撃作戦が近く迫っている事が明白でした。
キャプテン・フィリップスのあらすじ 結:収束
とうとう現場にSEALsが到着、救命ボートは包囲されます。
金を渡すからフィリップスを解放しろ、と無線で告げてくるSEALs。
フィリップスは海軍側がそんな交渉をするはずがないとムセを止め、海賊達が皆殺しに遭うのを避けるために降参を促します。
それでもムセは降参をせず、フィリップスに笑顔を見せてボートを降り、交渉の為に海軍艦へと向かっていきました。
交渉へと向かうムセの影で、SEALsは救命ボートへの狙撃・突入準備を整えていました。
そしてその動きを察知したフィリップスは気が動転、救命ボートの中で遺書を書き始めます。それを見たナジェが怒り狂い、フィリップスを殴り殺そうと襲いかかります。
他のメンバーも巻き込み、救命ボートの中がパニック状態に陥ったその時。
SEALsの一斉狙撃で、フィリップスを除いて海賊達が全員射殺されました。
あっという間の惨劇の中、船内に残されたフィリップスはただ一人泣き叫ぶのでした。
あの夜、ムセの口から聞いたソマリア海賊達の複雑な境遇、現地で起きている深刻な貧窮問題…
救助されたフィリップスは言い知れない感情に襲われ、しばらくショック状態でしたが、やがて家族のもとへ無事戻り、再び船長の職務へと復帰しました。
そしてムセは、アメリカで懲役33年の刑を受けました。
このようなあらすじとなっています。
終始船の上で展開していくストーリー。ラストはやはり、実際に起きた事件と同じ結末を迎えていくのです…
「キャプテン・フィリップス」見どころ解説
ここでは「キャプテン・フィリップス」の見どころについてまとめていきます。
事実をもとに作られた映画…!
キャプテンフィリップス観ましたーー大迫力!実話なのすごい
— sayuri@ (@SNo632) September 3, 2020
まずはノンフィクションだということが最大の見どころです。実在するフィリップス船長の体験した事件、そして彼が感じたことを一緒になぞるような感覚で進んでいくストーリーは、臨場感がものすごいです。
期待の新人、バーカッド・アブディ!
バーカットアブディのデビューがキャプテンフィリップスのムセだったんだな
— 木賊 空柴 (@R157G137B108) March 1, 2017
今回海賊のリーダー・ムセ役を演じたのが、ソマリア出身の俳優バーカッド・アブディです。
出典:シネマトゥデイ
作品の中で、主演のトム・ハンクスに劣らない迫真の演技を見せています!
貧窮に苦しみ、生活のために海賊となり犯罪を働く青年。痩せこけた身体で、明日の自分を守るために生きているような鋭い目つき。
その姿はまぎれもなく「ムセ」そのものだったように思います。
そして映画デビュー作でアカデミー賞助演男優賞ノミネート!すごいですね。
残念ながら、この「キャプテン・フィリップス」以降、映画界で目立った出演がまだ見られないようですが…
個人的にはこれから先も色々な作品で見たい、素晴らしい俳優さんだと思います!
迫真の人間ドラマ。トム・ハンクスのフィリップス船長は言うまでもなく素晴らしいですが、是非この「ムセ」の存在感にも注目してみてほしいです。
「キャプテン・フィリップス」感想・口コミ評価
では次に、「キャプテン・フィリップス」を実際に見た人たちの感想や口コミを見てみましょう。
トム・ハンクスに理想の上司像を見る。
キャプテン・フィリップス観た。2009年ソマリア沖で米貨物船が海賊に襲撃された実話だ。バックでかかるサントラ楽曲がダンケルクに似ていて、緊迫した状況を演出する。襲撃からエンディングまで観る者を飽きさせない。プラベートライアンでもそうであったように、船長トムハンクスに理想の上司を見る。 pic.twitter.com/FGBO0RMQaR
— のんびりシネマでも (@shito2ka) September 6, 2020
いつでも冷静な判断をするように努め、船長としてクルーを守るべく責任感のある行動をとるフィリップス。
トム・ハンクスの人間性そのものが役柄ととってもスムーズに溶け合っているような印象がありましたね!
ムセ達海賊のことを思う
キャプテン・フィリップス。ムセは海賊だし目つきは胡乱だしヤク中だけど、ニューヨークで車が欲しいとか言ってる普通の若者だと思うと彼らを取り巻く何が悪くてこうなったかはきちんと把握せねばという気持ちになった。あとはネイビーシールの筋肉ダルマな肉体とトム・ハンクスの演技な。すごかった。
— ナヨザネ(洋画・アメコミ) (@nayozaneeee) January 4, 2014
『キャプテン・フィリップス』敵役のムセの立場を思うと悲しくなる。人生の選択肢が満足に用意されていなくて、その中で取れる範囲の選択をした結果が行き止まり。そんなの「自業自得」って他人に言って欲しくないよ。アメリカに行って車を買うことが夢なのに、そんなことも叶わない。悲しいとしか。
— バリュー・ドリモア (@hiro_amadeus) December 12, 2013
この作品に出てくる海賊はただの「悪者」と呼んで捨てられる存在ではありません。ムセ達の姿には、とても考えさせられるものがありました。
射殺された海賊の若者達を見てフィリップス船長は、想像もつかないほどの色々な想いに襲われ、苦しんだのだろうと思います。
ポール・グリーングラス監督はこの一つの事件を描くことによって、とても大きな問題提起をしているのではないでしょうか。
「キャプテン・フィリップス」あらすじ、見どころや感想・口コミのまとめ
始まりからラストまで様々な感情を突き動かされるこの作品。
見終わった時には疲労も感じるかもしれないですが、そこには「見ておかなければいけないもの」が詰まっている、個人的にはそんな風に思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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