宮崎駿初の長編映画監督作品であり、劇場版ルパン三世シリーズ二作目の「ルパン三世カリオストロの城」。
1979年の公開された今作は、ルパン作品シリーズで最も多くテレビ放送されており、根強い人気を誇っています。
ルパン役を演じる山田康雄さんも特にお気に入りの作品として名前を挙げています。
脚本:宮崎駿、山崎晴哉
原作:モンキー・パンチ
音楽:大野雄二
出演:山田康雄(ルパン)小林清志(次元)井上真樹夫(五右エ門)増山江威子(不二子)
今回は、カリオストロの城の名言、名シーンについて紹介していきます。
- 「ルパン三世カリオストロの城」の名台詞
- 「ルパン三世カリオストロの城」の名シーン
- 「ルパン三世カリオストロの城」の評価
名言、名台詞は?
まさか。捨てたの(峰不二子)
クラリスに自分とルパンの関係を語る不二子。
「時には敵、時には味方、恋人だったこともあったかな」と言う不二子の言葉にクラリスは「捨てられたの?」と聞きます。
「まさか。捨てたの」と答える不二子の格好良さにはキュンとしますね。
不二子だからこそ、女たらしのルパンを利用し、翻弄できるのかもしれません。
1人でカッコつけて悩むんじゃねえ。ほら言え!(次元大介)
実は過去に出会っていたルパンとクラリス。昔、カリオストロ城での盗みに失敗し、大けがを負ったルパンを幼き頃のクラリスが助けてくれていました。
次元に2人の出会いを尋ねられ、答えに渋っていたルパンに次元が言った言葉です。
ルパンのことを心配するそぶりを見せながらも、一緒に悩むことは負担ではないと軽く伝える次元の男らしい優しさが伝わる一言です。2人の強い信頼関係が分かります。
困ったことがあったらね、いつでもおじさんに言いな。おじさんは地球の裏からだって飛んできてやるからな(ルパン三世)
仕事を終え、カリオストロを去るルパン一行ですが、クラリスは「一緒に行きたい」と言います。
それに対するルパンの返事の言葉です。優しく断るための言葉ではありますが、クラリスに対する心強い約束でもあります。
女たらしなだけではない、男らしく優しいルパンを感じることができる言葉ですね。
奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。(銭形警部)
クラリスのもとを去ったルパン一行のあと、遅れてやってきた銭形警部がクラリスに言う、言わずと知れた名台詞です。
ルパンのことを知り尽くした銭形警部は、ルパンの優しさや男らしい一面を理解し、クラリスがそこに惚れていることにも気づいていたのです。
ただの追跡者と追われる者という関係ではない、もはやルパンのライバルと言える銭形警部だからこそ言える言葉ですね。
名シーン紹介
カーチェイス
「カリオストロの城」最大の名シーンと名高い物語冒頭に登場するカーチェイスシーン。
スピルバーグ監督も「映画史上最も完璧なカーチェイス」と評したと言われています。
映画に登場する車や銃はすべて実在するものです。
ルパンたちの愛車フィアット・500、クラリスが逃走する際に乗っているシトロエン・2CV、「銭ブル」と呼ばれる銭形警部が乗る警察車両の日産ブルーバードなどの車が宮崎駿監督の絵で走り回る様子は、それだけでワクワクします。
優しいルパン
クラリスに「おじさま」と呼ばれているところからも分かるように、他の作品に比べ年齢を高く設定し、「年を取ったルパン」を描いたカリオストロの城。
花嫁姿のクラリスを見て助けることを決め、あたかかく包み込むようなルパンの姿はこの作品の特徴と言えるでしょう。
原作者のモンキー・パンチも「僕にはあんなにやさしくは描けない」と宮崎監督のルパンを評価しています。
カリオストロ公国の緻密な設定
物語の舞台となる架空の国カリオストロ公国は人口約3500人の小さな国家と設定されています。
新聞などからフランス語が公用語であると推測できますが、ドイツ系の名前も登場することからドイツとフランスに挟まれた小国なのではないかとされています。
ルパンが若いころ関わったことのある偽札ですが、カリオストロ公国は偽札製造に力を入れており、東西冷戦下には国際的な影響を与えていました。
カリオストロ城には地下迷宮と無数の落とし穴が存在し、殺害の証拠隠滅の為に使われ多くの死体が転がっています。
その地下に落とされたルパンは、日露戦争中調査にやってきた旧日本軍軍偵が自決前に刻んだ文字を発見しています。
このように設定からも絵からも読み取れる緻密に設計されたカリオストロ公国は、物語に強いリアリティを生んでいます。
まとめ
宮崎監督はテレビシリーズの監督もつとめていたため、テレビシリーズから引き継いだ設定も多く登場します。
モーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」(ルパンはその孫という設定)からとった名前も登場します。カリオストロという名前も「カリオストロ伯爵夫人」に登場する名前です。
こうして、作品内でもメタ的にも緻密に構成された「カリオストロの城」はほかのルパン作品とは一線を画す作品になっているのです。
カリオストロの城が傑作と評されるゆえんが分かります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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