2020年1月10日に公開された、韓国映画「パラサイト 半地下の家族」は、家族全員が失業中のキム一家が、その日暮らしの貧しい生活を送っている姿を描いた物語です。
ポン・ジュノ監督と主演のソン・ガンホが4度目のタッグを組んで製作された本作。伏線や意味深いラブシーンなどがどんな意味を持つのか、ファンにとっては気になりますよね?
今回は、映画「パラサイト 半地下の家族」であった、ドラッグとソファの時計回りの意味について、考察も交えながらご紹介していきます。
- 「パラサイト 半地下の家族」の予告動画
- 「パラサイト 半地下の家族」にラブシーンは多いのか?
- 「パラサイト 半地下の家族」のドラッグ買っての意味
- 「パラサイト 半地下の家族」のソファの時計回りの意味
- 「パラサイト 半地下の家族」の伏線
- 「パラサイト 半地下の家族」ポン・ジュノ監督は伏線を否定したのか
ラブシーンは多い?
「パラサイト半地下の家族」にはラブシーンがあります。
まず、夫婦のラブシーンです。
ソファの上で「時計回りに…(触って)」というシーンがあります。このセリフも意味深ですよね?
ヌードはないものの、この夫婦のラブシーンは少々生々しいため家族で映画を見た人からは「気まずい」という声も多く見られました。
他にも、キスシーンがあったり、強めの性的言動があったり、ところどころでラブシーンが演出されていました。
家族では見ないことをおススメします。
それでは、「時計回り」やその他の伏線の意味について考察していきます!
ドラッグ買っての意味は?
本作でパク・ドンイクの妻であるヨンギョは、劇中で「ドラッグ買って」と言うシーンがあるのですが、劇中では具体的にどんな意味を持つ言葉だったのかという説明はありません。
そこでネットで色々情報を集めてみたところ、「ラブシーンが始まる合図」という意見が多く挙がっていましたが、実際には「金持ちによるエゴ」が言葉の裏に隠されていたのではないかと考察しました。
その理由としては、前の運転手をドラッグの使用を疑って、辞めさせたキム・ギジョンによる計画があったからです。
車内でパンツが見つかったシーンでの発言と一緒に考えてみると、ドラッグの使用の容疑がかかった運転手は解雇し、実際にドラッグを使う自分たちは許される構図が出来上がります。
最初はただ単純に、ヨンギョがドラッグ欲しさに言っている発言かと思われたのですが、実はその言葉の裏には「金持ちは司法を操れ、違法行為も許される」といった、貧富の格差による金持ち側のエゴが隠されていたのです。
これをパク・ドンイクが言うのではなく、その妻のヨンギョがこんな恐ろしい意味を持った発言をするとは、運転手の方が不憫で仕方ありませんね。
時計回りの意味を考察
時計回りの意味
「時計回り」とは、パク・ドンイクと妻のヨンギョが、息子そっちのけでイチャイチャし出すラブシーンの際に、そのように愛撫してとお願いするセリフです。
この「ソファーシーンでの時計回り」の意味は、インタビューで答えたポン・ジュノ監督曰く、「観客がこのシーンを見て、”早く終わってくれ!”と思ってほしかった」ということでした。
地下で暮らすキム・ギテクたちが、机の下で雇用主の情事を見なくてはならないという、気まずい思いをしていることを分かって欲しくて、あえてこのシーンを描いたようですね。
確かに、この映画を友達や家族と観に行った人は、このラブシーンを見てとても気まずい思いをしてしまいますよね。
時計回りと反時計回りの対比
「時計回り」に関係するシーンは、劇中で他にも登場しています。
富豪邸へ登る階段と地下室のドアを開閉する際のギアの回し方、キム・ギテクがパク・ドンイクをナイフで刺殺後の立ち回り方に、「時計回り」が使われているのです。
時計回りのシーンに対比するように、「反時計回り」が使われているシーンもありましたね。
- 元ハンマー投げ選手のキム家の母・チュンスクが、庭でハンマー投げの要領で物を投げた際の回転方向
- キム一家が食堂で食事した際、バイキング形式に並べられた料理の配置
- 物語のクライマックスで、キム・ギテクがパク・ドンイクを刺殺し、階段を駆け下りて逃亡するさま
これらの対比の意味は、ドラッグのところであった映画のテーマでもある、社会格差が関係しています。
富裕層は「時計回り」、貧困層は「反時計回り」という、地上に住むパク社長一家と地下に住むキム一家の貧困さを比較する表現になっていたのです。
ポン・ジュノ監督は伏線を否定?
本作には「ドラッグ買って」「時計回り」以外にも、3つの伏線が隠されています。
伏線1:パク・ダソンが描いた絵
まず1つ目は「パク・ダソンが描いた絵」ですが、パク家の壁に飾られている絵とキム・ギジョンが美術心理学で分析した絵の2つには、それぞれ地下室に住むオ・グンセを表現していたという伏線がありました。
パク・ダソンが見たただの幽霊として扱われていたものの、パク家の壁に飾られている絵には他にテントと地下に続く階段と、地下室のような茶色のごちゃごちゃとしたものも描かれています。
実際に誕生日パーティーの日に、オ・グンセが登場したことから、それを予知するものだったのではないかと考えられますよね。
キム・ギジョンが美術心理学で分析した絵も同じで、「曇り空の日の庭で、頭を赤く染められたオ・グンセが刃物を持ち、右下には地下室のような黒いごちゃごちゃしたものがある」絵には、オ・グンセが刃物を持って暴れる結末を予知したものでした。
伏線2:3匹の犬
2つ目は「3匹の犬」、これは子供と接することが苦手で、子供を監視することで親になった気でいるヨンギョの気持ちを示しています。
ヨンギョが、自分がコントロールできる従順な3匹の犬を溺愛していたことから、逆にコントロールできないものには関心を示さない、といった伏線が隠されていたのです。
伏線3:計画
3つ目は「計画」、無計画を信条するキム・ギテクが、無計画を選択したあまりに「キム・ギテクはパク・ドンイクを刺して犯罪者に、キム・ギウはその後遺症を受ける」といった悲惨な結末を招いてしまいます。
自分が今まで通りちゃんと計画しておけばよかったと反省するキム・ギウの姿から、「最後まで計画を考えておかないと失敗する」といった、計画の重要性を訴える伏線があったのです。
ポン・ジュノ監督は伏線を否定
これらも合わせて5つの伏線が隠されていた本作ですが、監督を務めたポン・ジュノはそれらの伏線はないと否定しています。
本作のインタビューを受けたポン・ジュノ監督は、「象徴(メタファー:あからさまな比喩表現を使わない喩えのこと)や揶揄を否定したい」「”解釈(深読み)から抜け出したい”」と語っていました。
シーンに隠された意味を深読みし、それが真実だと解釈するのではなく、描かれた物語をそのまま何も考えず、純粋に作品を楽しんで欲しいようですね。
まとめ
さて、映画「パラサイト 半地下の家族」に隠された伏線についてや、ポン・ジュノ監督の考えをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
「ドラッグ買って」には金持ち故のエゴが、「時計回り」にはパク夫妻の情事を早く終わってくれと観客に思わせたかったいう、伏線に隠された意味について考察した意見をお話してきましたね。
しかしポン・ジュノ監督が伏線はなく、純粋に作品を楽しんで観て欲しいという気持ちが、インタビューで語られていました。
この作品を描いたポン・ジュノ監督自身がそう願っているのですから、映画「パラサイト 半地下の家族」をあまり深読みせず、純粋に楽しんで観てみましょう。
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