時をかける少女(映画) – あらすじ
新学期が始まった4月16日土曜日。放課後に、理科室の掃除をしていた高校1年生の芳山和子(原田知世)と幼馴染の堀川吾朗(尾美としのり)、同級生の深町一夫(高柳良一)。
吾郎と一夫が荷物を取りに行っている間に、ひとりで理科室に残った和子は、実験室で物音を聞き、中に入ったところで、謎の白い煙を吸い倒れてしまう。戻ってきた吾郎と一夫に保健室に運ばれ、和子の話を聞いたふたりは実験室に行くが、そこには白い煙も何もなかった。
その日から、和子は自分だけ時間の感覚がおかしくなっていると疑い始める。18日月曜日の夜、地震が起こり、吾朗の自宅の醬油屋が火事だと知り、和子は急いで向かう。しかし火元は別の建物で、ボヤ程度で済んだ。翌朝に、登校中に吾郎と合流した和子の上にがれきが崩れてくる。とっさに、吾郎を庇いながら目をつむった和子は、次の瞬間、目を開けると自室のベットの中にいた。
瓦礫のことは夢だったのだと納得した和子は、いつも通りに学校に行くが、だれも昨夜の地震と家事を覚えていない。さらに、小テストや授業の内容は昨日のものと全く同じ。混乱した和子は、一夫にそのことを相談し、一夫は、その現象は、テレポーテーションとタイムトラベルが同時に出来る「タイムリープ」ではないかと言い出す。
その夜、和子が見た通りの地震と吾郎の家でも火事が起き、「タイムリープ」を確信する和子。
その後、和子は、一夫の家の温室で、実験室で嗅いだ煙と同じ香りをかいで、意識を失ってしまう…
時をかける少女(映画) – 感想・評価・考察
少しダークな雰囲気がSF映画とマッチしていて、とても印象深い作品です!!
尾道の町並みもとても美しく、瓦屋根に囲まれた道や、温室を備えた洒落た家。実際に行ってみたくなる魅力が詰め込まれた映像美でした。
学校や家なども、昭和の日本の普通なものだけど、色彩やカメラワーク、ひとつひとつにこだわりをもって撮影されたのを感じるクオリティー。
タイムリープのときの写真をコマ送り的に連ねた映像は、遊び心があって、今みても色褪せない新鮮さがありました。
時をかける少女(映画) – 原作について
- 小松左京
- 星新一
と並び『SF御三家』と呼ばれた筒井さんの真骨頂です。
筒井さんだから描ける世界観に、多くの世代が時空を超えて魅了され続けているんですね!
そんな希少な作品だからこそ、原作小説『時をかける少女』を一度読んでほしいです。少しでも気になった人は、一度手にとって読んでみてくださいね。
時をかける少女(映画) – 原田知世さんについて
最近は、『半分、青い』や『あなたの番です。』にも出演し、安定の演技力をみせた原田知世さん。
1982年、中学3年生の時に「角川・東映大型女優一般募集」オーディションで、応募資格の15歳以上という条件を満たしていなかったにも関わらず、「角川映画新人募集」の特別賞を受賞。82年に女優として活動を始め、TVドラマ「セーラー服と機関銃」と「ねらわれた学園」で立て続けに主演を務めます。
そして、83年、大林宣彦監督作「時をかける少女」の主演で映画デビューを飾り、瞬く間に人気を獲得。あざとく、観る人全員を魅了してしまうような可愛さが、この映画の一番の見どころかなと思いました!
自身が歌う同名の主題歌もヒット。その後は大林監督の「天国にいちばん近い島」(84)、「水の旅人 侍KIDS」(93)、「あした」(95)に出演するほか、「早春物語」(85)、「落下する夕方」(98)、「紙屋悦子の青春」(06)などに主演。「私をスキーに連れてって」(87)では、日本アカデミー賞の話題賞俳優部門を受賞しています。
時をかける少女(映画) – まとめ
2020年4月10日、映画「転校生」や本作「時をかける少女」など、若者たちの情感をみずみずしく描いた作品で人気を集め、晩年まで反戦を訴え続けた映画監督の大林宣彦さんは、肺がんのため亡くなりました。82歳でした。
大林監督を世に知らしめた“尾道三部作”の1作でもある「時をかける少女」を追悼の意も込めて、一度、ご鑑賞ください!
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