若きアンヌ・パリローが魅せる華麗なる暗殺。
泣き虫の殺し屋と言われるニキータは政府によって仕立て上げられた秘密工作員。
不良少女だった彼女は、今は日々過激な指令をこなすだけの存在だったでした。
そんな彼女を照らす一筋の光、それは恋。
初めて芽生えた感情に揺れ動き、まるで少女に戻ったかのような愛らしい表情を見せるニキータでしたが...。
アンヌ・パリローの細い躯体からは想像もつかないようなパワフルなアクションが繰り出され、スパイ映画のエンターテインメントが盛り込まれています。
当時のファッションを着こなしながらクールな暗殺者を演じる姿は唯一無二。
あまりの人気からTVドラマ版が放送された程でした。
そんな彼女が迎える結末とは?
映画のネタバレをご紹介していきます。
『ニキータ』作品情報
タイトル | ニキータ |
原題 | Nikita |
日本公開日 | 1991年1月26日 |
上映時間 | 115分 |
ジャンル | アクション映画 |
監督 | リュック・ベッソン |
脚本 | リュック・ベッソン |
製作 | パトリス・ルドゥー |
製作総指揮 | クロード・ベッソン ジェローム・シャロー |
製作国 | フランス・イタリア |
配給 | 日本ヘラルド映画 |
『ニキータ』主な登場人物(キャスト)
過激な役柄を演じたキャストを解説していきます。
ニキータ(アンヌ・パリロー)
麻薬中毒の少女。警察官を射殺したことで逮捕され、政府お抱えの暗殺者に仕立て上げられる。
訓練を終えて1人立ちすると、偶然知り合ったマルコと恋に落ちた。
幸せな時間を過ごすがマルコとの今後について葛藤する。
マルコ(ジャン=ユーグ・アングラード)
スーパーのレジ係。買い物に来たニキータに「レジが壊れた」と話したことがきっかけで恋人関係になる。
ニキータの本当の姿について薄々気づいているようだが、知らない振りをしながら泣き虫な彼女の唯一のより所として支える。
出典:IMDb
ボブ(チェッキー・カリョ)
ニキータを工作員に引き込んだ政府の男。
殺しの指令を出すなど重要なポストについているようだが、それ以上は謎のまま。
しかし、ニキータに対して何かの感情を抱いている節も見える。
出典:IMDb
アマンド(ジャンヌ・モロー)
ニキータのしつけ係。
品性の欠片も無いニキータにテーブルマナーや女性らしい歩き方など、女性の武器を伝授。
劇中でその成果は見られなかったが、女の美しさとそれの乱用は限界が無いと名言を残している。
出典:IMDb
掃除人ヴィクトル(ジャン・レノ)
遺体を処理する掃除人。
仕事に手こずるニキータの前に現れてその腕前を披露する。
しかし、最後は撃たれて死亡。
『ニキータ』あらすじ解説(ネタバレあり)
起:秘密工作員の勧誘
麻薬中毒の仲間と共に薬局に押し入ったニキータは、そこで警官殺しをしてしまいます。
薬物欲しさの強盗と殺人の罪で終身刑を言い渡された彼女でしたが、政府の秘密工作員のボブが現れた事で人生が一変します。
政府の工作員として生きるか死ぬかを選べと迫られ、生きる道を選びました。
その後は工作員養成施設へと入れられあらゆる訓練を受けて、暗殺者としての技術を身に着けます。
承:1人立ち
23回目の誕生日の日、ニキータはボブに連れられてディナーに来ていました。
お祝いだと思い喜ぶ彼女でしたが、実は工作員としての卒業試験だったのです。
プレゼントとして渡されたのは綺麗にラッピングされた「拳銃」と「指令」。
淡い期待を裏切られ、酷く傷ついた彼女でしたが見事に指令をこなし、1人立ちが認められたのでした。
施設を出たニキータは『看護師のジョセフィーヌ』として世間に身を置く事になります。
転:恋人マルコ
その後、スーパーのレジ係だったマルコと恋仲になり同棲を始めます。
工作員として仕事をしながらマルコとの生活に幸せを見出したニキータ。
マルコに対する気持ちは本心で、愛する彼に隠し事をしながらの生活に苦しみも感じていました。
時折不安定になるニキータに何かを感じながらも支えとなり続けるマルコ。
そんな2人の生活に終わりがやってきます。
結末・ラスト:1人で逃亡
ある時、重大な任務で大失敗をやらかした彼女は満身創痍でマルコの元へ帰宅。
肉体的にも精神的にも深い傷を負ったニキータに、マルコは「利用されて可哀想に...」と言いました。
全てを知っているような口振りの彼は仕事を辞めさせる事を決意します。
しかし、ニキータは1人で逃げることを選び、一緒に逃げると言うマルコを制止し1人で姿を消してしまいます。
後日、ボブがマルコの元を訪れるとマイクロフィルムを渡され、ニキータを守ってほしいと懇願しました。
そして「寂しくなるな」と言葉を交わしたのです。
『ニキータ』見どころ解説
久しぶりに「ニキータ」見たいです。#ニキータ#リュックベッソン#アンヌパリロー pic.twitter.com/g7ljkMII8u
— 緑の悪魔(新垢) (@GREENDEVIL8578) March 14, 2020
映画の考察やアンヌ・パリローに憧れるなど、今なお衰えない支持を誇る映画『ニキータ』。
その見どころをいくつかまとめてみました!
殺しと混在する恋心
麻薬中毒の浮浪者という設定のニキータはボブと出会い人を殺す術を教わります。
選択肢なんて無い、強制された道でしたがニキータはボブに恋心を、ボブにも想う心があったように感じました。
それは2人のキスシーンが物語っています。
しかし、これはちょっと難しい。
ボブはニキータの生い立ちなどから「慈愛」の感情が強いのではと思いますが、ニキータの方はストックホルム症候群かな?と...。
ボブは暗殺者のスカウトをするくらいなのだから、間違いなく高度な技術を持っているはず。
養成所暮らしのニキータの心理を使用する事も容易いこと、と考えると果たして恋心だなんて綺麗な表現をして良いものか。
それを経てのマルコなので、2人で幸せなラストを迎えて欲しかったです!本当に!
殺伐とした殺しに混ざる淡い恋模様、皆さんはどう解釈しますか?
ジャン・レノ
ジャン・レノが扮する「掃除人ヴィクトル」はほんの数分しか登場しませんが、それは大きな反響を呼びました。
#映画で今日は何の日 男の子で嫌いという人のいない映画『#レオン』ですが、あの完璧に孤高に生きてるレオンが、呆けた顔で、幸せそうに映画を観る…私の「映画の中で、映画館で映画を観るシーン」の、ベストです…(涙) 3月25日【1995年『レオン』日本公開】#映画秘宝 #今日は何の日 #ジャン・レノ pic.twitter.com/lTfMvMmNNo
— 映画屋のジョン (@eigayajohn) March 25, 2018
本作がきっかけで映画『レオン』が制作されたことはご存知でしょうか?
監督は掃除人ヴィクトルを見て、『レオン』の足掛かりとなる脚本をわずか2日間で完成させました。
リュック・ベッソンがビビッと来たヴィクトルの見せ場は、
- 対象人物を薬品で溶かす
- 残酷な仕事振りながらも最後は敵の足止めをして死亡
この短い登場シーンで監督に運命的な出会いを感じさせた掃除人ヴィクトル。
ジャン・レノが持つ魅せる力を感じて頂きたいです。
意味深な結末
数々の考察を生み出してきた本作のラスト。
見方によっては、ニキータは最初から最後まで手のひら上で転がされていた事になる。
そんな疑惑の結末でした。
- マルコがニキータの仕事内容を知っている
- 政府の工作員が一般人と対話
- マイクロフィルムを持っている
- 破かれた手紙の内容
- 寂しくなる、理由
こちらが疑惑の数々です。
マルコはニキータの仕事内容まで知っている口振りでした。
一般人が政府公認の暗殺に勘付くでしょうか?
その洞察力があればマルコが政府の工作員になれるよ!
一言でいえば、これなんです。
ボブとマルコの対話には含みが多くて、マルコも工作員だとすれば納得の場面なのです。
でも、もしそうだとしたら...
ニキータに救いが無いという悲しい結末に感じますね。
『ニキータ』ネタバレあらすじ、見どころ解説まとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。
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