サウジアラビアを舞台とした、サスペンス映画「キングダム/見えざる敵」。
対テロ映画の傑作として、ネットレビューで高い評価を受けています。
サウジアラビアの外国人居住区で起きた無差別テロに立ち向かうのは、アメリカのFBI捜査官。
彼等を待ち受けているのは、「正義」という名前を借りた憎しみの連鎖でした。
今回は「キングダム/見えざる敵」のあらすじやネタバレ結末、そして評価や感想についてもご紹介します。
・「キングダム/見えざる敵」の政治的な内容と、息を呑む結末。
・「キングダム/見えざる敵」の掲げるテーマが、悲しいものであること。
・「キングダム/見えざる敵」の世間の評価は高く、実際に起きたテロ事件を思わせるもの。
キングダム/見えざる敵丨予告動画
キングダム/見えざる敵丨主な登場人物(キャスト)
ロナルド・フルーリー(ジェイミー・フォックス)
テロ事件捜査のために、アメリカからサウジアラビアへやって来たFBI捜査官。チームリーダー。状況を冷静に分析し、捜査を進める。
ジャネット・メイズ(ジェニファー・ガーナー)
法務医学調査官。アメリカからサウジアラビアへやって来たFBI捜査官の1人。紅一点。医学の観点から、テロ事件捜査にあたる。
グラント・サイクス(クリス・クーパー)
爆発物専門家。アメリカからサウジアラビアへやって来たFBI捜査官の1人。チーム最年長。爆発物の破片から、テロリストの捜査にあたる。とても明るい性格。
アダム・レビット(ベレニス・ベジョ)
情報分析官。テロリストが投稿したとおもわれる動画を元に、捜査を進める。映画ラストにおいて、1番酷い目に遭うことになります。
キングダム/見えざる敵丨あらすじ解説(ネタバレあり)
1932年、理想のイスラム教実現を夢見て建国されたサウジアラビア。
アメリカ人探検家が石油を発掘したことから、大きな発展を遂げました。
多くの外国人は石油を求めてサウジアラビアへ押し寄せ、外国人居住区を構えます。
外国人居住区では、イスラムの厳格な教えは通用しません。
保守的な現地人にとって、イスラムの教えを守らない外国人は「悪」です。
映画は、悲惨としか言いようがない悲劇で幕を開けます。
キングダム/見えざる敵丨あらすじ 起
サウジアラビアにあるアル・ラマー外国人居住区で、アメリカ人を狙ったテロ事件が発生!
現地警察の制服を身にまとい、テロリスト達は女子供関係なしに居住者を次々と殺害します。
事件後、現地で捜査にあたっていたFBI法律担当官のフランシス・マナーも、犠牲になってしまいました。
フランシス捜査官殉職の報せは、アメリカにいるFBI捜査官ロナルド・フルーリーにも届きます。
FBIでは早速会議が開かれ、テロ事件の詳細と状況が報告されました。
そしてマナー捜査官の殉職も、会議で明らかに……。
マナー捜査官を失った悲しみに打ちひしがれるのは、法務医学調査官のジャネット・メイズ。
フルーリー捜査官はメイズ捜査官の耳元で、”何か”を呟くのでした。
キングダム/見えざる敵丨あらすじ 承
外国人居住区テロ襲撃事件の真相を掴むには、現地サウジアラビアに行くしかありません。
本来ならばFBI捜査官がサウジアラビアに行くのは、不可能に近いことです。
そこでフルーリー捜査官は記者の協力を得て、サウジアラビア駐米大使に揺さぶりをかけます。
そしてサウジアラビア行きの”チケット”を手にするのでした。
サウジアラビアに向ったのは、下記4人です。
- FBI捜査官:ロナルド・フルーリー
- 爆発物専門家:グラント・サイクス
- 情報分析官:アダム・レビット
- 法務医学調査官:ジャネット・メイズ
首謀者としてフルーリー捜査官が目をつけていたのは、アルカイダの一員であるアブ・ハムザです。
しかしサウジアラビア政府とアメリカ政府から圧力がかかり、捜査は思うように進みません。
キングダム/見えざる敵丨あらすじ 転
フルーリー捜査官はサウジアラビア国王子に直訴し、捜査協力を取り付けます。
サウジアラビア国王子のサポートもあり、捜査は順調に進みました。
そして得られた手掛かりから、テロ首謀者は当初睨んでいた通りアブ・ハムザであると判明。
さらにテロリストの一員とおぼしきアジトを突き止め、捜査はいよいよ大詰めです。
しかしアジトに首謀者の姿はなく、捜査はゼロからやり直しとなってしまいました。
キングダム/見えざる敵丨あらすじ 結末・ラスト(ネタバレ)
テロ事件が未解決のまま、FBI一行はアメリカへ帰ることになりました。
空港へ向っている最中にテロの襲撃に遭い、レビット捜査官は拉致されます。
テロリストの後を追うFBI捜査官と、サウジアラビア現地警察官。
戦いは熾烈を極め、無関係の民間人を巻き込んでしまいました。
結果的にレビット捜査官救出に成功し、テロ首謀者アブ・ハムザの殺害も成し遂げます。
アブ・ハムザは事切れる直前、自身の孫に”何か”をささやきました。
「皆殺しにしてやる」と。
その言葉は、サウジアラビアへ向かう直前、フルーリー捜査官がメイズ捜査官に囁いた言葉と同じでした。
キングダム/見えざる敵丨見どころ
当時演技派だったジェイミー・フォックスがアクションに挑んだこと。
アクション女優として活躍していたジェニファー・ガーナーの活躍っぷり。
ハリウッド屈指の名バイブレイヤーであるクリス・クーパーに、ジェイソン・ベイトマン。
超豪華過ぎる出演陣が名を連ねる「キングダム/見えざる敵」。
でも豪華過ぎる出演陣だけが、映画の見所ではありません。
「キングダム/見えざる敵」の見どころは、もっと深い部分にありました。
話は意外と難しくない
「キングダム/見えざる敵」の内容は、意外と難しくなく気楽に見ることができます。
テロが絡む映画となると、政治と宗教の関係は外せません。
一見すると難しそうにおもえる映画ですが、複雑に考える必要はないでしょう。
政治については映画OPできれいにまとめられており、中東情勢に詳しくない人でも問題なし!
今どき珍しい漢気溢れる映画として、楽しめる一作となっています。
見えざる敵とは何か?
サウジアラビアに到着したFBI一行は、テロリストとは別の「見えざる敵」との戦いに身を投じることになります。
「見えざる敵」とは「キングダム(王国)」を指します。
アメリカ人が犠牲になったテロ事件は、サウジアラビア王国にとっては隠したい事実。
サウジアラビアを下手に刺激すると石油が手に入らないため、黙るしかないアメリカ。
FBI一行と対する敵は、テロリストだけではないのです。
最後のセリフで紡ぎ出される憎しみの連鎖
「キングダム/見えざる敵」の結末は、素直に喜べないハッピーエンドです。
映画冒頭では、無実の外国人達が襲われてしまいました。
そして映画ラストでは、無実の民間人達が襲撃に巻き込まれてしまいます。
テロリストとFBIの立場は、真逆です。でも彼等が実行していることは、ほとんど変わっていません。
憎しみが生み出すものは、憎しみでしかないのです。
キングダム/見えざる敵丨感想・評価
「キングダム/見えざる敵」が面白いかどうかを判断するには、評価や感想を探るのがベスト!
SNSに投稿されていた映画の感想を見てみると、大半以上が大傑作と評判になっていました。
さらに感想を深読みしてみたところ、テロ事件のあり方について考えさせられる結果に……。
「キングダム/見えざる敵」の感想と評価について、ご紹介します。
9.11と重なる内容
『キングダム/見えざる敵』
サウジアラビアで起きる無差別テロ。調査の為に現地へ飛んだFBI捜査官達に待ち受ける“王国”の影とは?
9.11後の世界情勢を、たった1本の作品でまとめ上げたピーター・バーグの手腕。異国で生まれるプロ同士の友情と共闘が素晴らしい。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/f2CErgUmdV— レオナ (@ClockworkReona) June 27, 2017
- 多くの人が犠牲になったテロ事件。
- 「捜査」という名目を借りた復讐でテロリストグループを追い詰める。
映画の内容ではなく、2001年9月11日に起きた同時多発テロの大まかな流れです。
「キングダム/見えざる敵」を見てみると、9.11同時多発テロを思い出さずにはいられません。
9.11同時多発テロの報せは、いつものように平和に暮らしていたアメリカ国民を震撼させました。
映画では、フルーリー捜査官が息子と平和に過ごしている最中に、テロ事件の一報を受けます。
そして混沌の中へと舞い込む姿も、9.11と重なってしまうのでした。
熱き友情と銃撃戦
サウジアラビアに関しては映画「キングダム/見えざる敵」が面白いよ。
サウジで米国人居留地の爆破テロが発生。FBIの捜査チームが派遣されるが、介入を嫌うサウジ上層部の妨害にあう。だが双方の現場捜査員は文化摩擦を乗り越え協力して…。
緊迫感あるテロシーンと最後の銃撃戦は必見。 pic.twitter.com/pY9iHHJ3dS— 菊地秀行(デザイナー) (@yeager1947) October 18, 2018
当初はぎくしゃくしていた、FBI捜査チームとサウジ現地警察。
お互いに文化の垣根を超えて友情が結ばれる様子は、胸に来るものがあります。
そして忘れてはならないのが、ラストで繰り広げられる銃撃戦でしょう。
銃撃戦はロケットランチャーまで飛び出るほどで、ものすごい迫力です。
ラストのセリフは考えさせられる
『キングダム‐見えざる敵‐』
イスラム国で起こった卑劣な自爆テロ事件解決に奮闘するFBI捜査官の物語を、前半は厳しい制限の中で捜査を行うもどかしさをジョーク交じりに描き、後半は怒涛の銃撃戦でテロの首謀者を追い詰めるスリリングな展開が良かった。
ラストのセリフで色々と考えさせられますね🤔 pic.twitter.com/TAZe6fxcsB— 光@地雷映画処理班 (@angeloo8eiga) June 9, 2019
ラストのセリフに、色々思いを寄せる評価が見られました。
テロリストが外国人居住区の住民にしたことは、絶対に許されるものではありません。
では全く同じ行為をサウジアラビア現地の人におこなうのは、果たして許されるものなのでしょうか?
明確な答えを出せる人は、中東情勢に精通している人でも出せないでしょう。
テロ事件は世界各国で、毎日のように起きてしまっています。
テロを防ぐにはどうすれば良いのか、改めて考えさせられる映画でした。
キングダム/見えざる敵丨ネタバレあらすじ、見どころ、感想・評価のまとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。
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