ノンフィクション作家・渡辺一史のノンフィクション書籍『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』が原作の映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
北海道が舞台となり、筋ジストロフィーの男性とその風変わりな日常を描いた今作は、北海道で撮影され、主演にも北海道出身の俳優大泉洋を起用しています。
監督:前田哲
脚本:橋本裕志
原作:渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」
音楽:富貴晴美
配給:松竹
今回は、夜更けにバナナかよ 愛しき実話のあらすじについて紹介していきます。
- 「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」のあらすじ
- 「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」のネタバレ結末
- 「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の主題歌
登場人物(キャスト)一覧

出典:映画.com
鹿野靖明(大泉洋)
筋ジストロフィーを患う34歳の男性。病の進行により、手と首しか動かすことができない。わがままで奔放な性格。
安堂美咲(高畑充希)
恋人の田中を追うため鹿野のもとに行ったが、ボランティアと勘違いされ、その後ボランティアとして鹿野をサポートする。
田中久(三浦春馬)
鹿野のもとでボランティアをおこなう医大生。
前木貴子(渡辺真起子)
ベテランのボランティア。
鹿野光枝(綾戸智恵)
鹿野の母。
あらすじは?

出典:映画.com
あらすじ起
1994年、札幌。
34歳の鹿野靖明は、筋ジストロフィーを患い、手と首しか動かせず、24時間誰かの手を借りなければ生活できません。
鹿野は、入院嫌いでみずからボランティアを募り、自宅で生活してます。
奔放な鹿野のわがままにボランティアたちは振り回されますが、それは自分では何もできないため「やってほしいことははっきり言う」という鹿野のポリシーがあってのことでした。
医大生の田中久も鹿野ボランティアの一人です。
田中には安藤美咲という恋人がいますが、ボランティアにいそしみ、恋人との時間をおろそかにしていました。
浮気を疑った美咲は田中のあとを追い、鹿野の家を訪れます。
鹿野にボランティアだと勘違いされた美咲は、田中とともに一晩中鹿野の世話をすることになります。
深夜二時過ぎ。鹿野が突然「バナナが食べたい」と言い出します。
初対面の鹿野と二人きりになるのは気まずいので、美咲はバナナを探しに行きます。
深夜なのでたいていの店は閉まっており、深夜までやっているスーパーのバナナは売り切れ。
美咲は何軒もまわってやっとバナナ一本持ち帰ります。
翌朝、美咲はわがままな鹿野に憤慨。「何様のつもり?」と問います。
突っぱねたことを後悔した鹿野は、田中に代筆を頼み詫び状を書きます。その内容はほとんどデートの申し込みでした。
田中は美咲が自分の恋人であることを言い出せず、代筆を引き受けます。
美咲はその誘いを断ろうとし、どうしてここまで親身になるのか田中を問い詰めます。
しかし田中に説得された美咲は、鹿野や田中、ボランティアたちとジンギスカンパーティーに出かけることにします。
あらすじ承
ボランティアたちと楽しく野外パーティーを楽しむ鹿野は、英検二級をとることやアメリカ旅行に行くという夢があると話します。
一同は生演奏に合わせ楽しく踊っていましたが、鹿野は腹痛を訴えます。
美咲は急いで鹿野の車いすを押しトイレへ向かいます。しかし一般トイレより多目的トイレは奥にあり、鹿野は漏らしてしまいます。
着替えは用意していたので何とかなりましたが、鹿野は少し落ち込んでいる様子でした。そんな鹿野に美咲は自身の受験期の失敗を話し、2人で笑います。
心臓の病気も患っていた鹿野は、主治医に入院しなければ命の保証はできないと言われます。
しかし、20歳まで生きられないと言われていた鹿野は動じない様子でした。
美咲と田中の交際も順調でした。
田中は美咲に「両親に会ってほしい」と頼みます。
美咲は医大生の田中と釣り合おうと「教育学部生」と嘘をついていました。田中は結局医大生と合コンしたかっただけかと怒ります。
美咲は「教育学部生」と嘘をついていたけど教師が夢なのは本当であること、両親に会うのはキャンセルしてほしいことを伝え、帰ってしまいます。
それから気まずくなった2人は鹿野のボランティアの時間をずらすようになります。
美咲は相手が田中だと伝えずに「恋人に嘘をついてしまった」と打ち明けます。そんな美咲に鹿野は「嘘を本当にすればいい」と言います。
それを聞いた美咲は本気で勉強することを誓います。
正月には鹿野とボランティアで初もうでに行き、まるで家族のような関係を築きます。
鹿野には両親がいましたが、母親は身障者として産んだ申し訳なさがあり、鹿野のほうも自分にとらわれてほしくないと思っているようでした。
それは鹿野がボランティアを集う理由の一つでした。
あらすじ転
ある日、ベテランボランティアの前木貴子が少し家を空けた時間に、鹿野が転倒してしまいました。
そのことを聞いた美咲は急いで病院に向かいます。
皆が心配する中、目を覚ました鹿野は美咲に「おっぱい触らせて」と言い、笑いを誘います。
主治医から呼吸筋が弱っているため呼吸器をつけなければならないと言い渡されます。
呼吸器をつけるためには気管切開をする必要があります。気管切開をすると声が出せなくなります。
鹿野は拒否します。
そんな中、美咲は人工呼吸器をつけたままでも声が出せる方法を聞き出し、実行しようとします。
努力の末、鹿野は半年で話せるようになりました。
また、田中は医者である父に、鹿野の転院をお願いします。
はじめは難色を示した父でしたが、強い意志を持って自分を説得する息子を見て入院を承諾します。
しかしまた体調を崩した鹿野は、さすがに申し訳ないと感じもとの病院に入院します。
田中は自分のふがいなさに落ち込み、医学部をやめようと思い始めます。
鹿野は自宅に戻りたくなっていました。しかし、気管切開をおこなったため呼吸器の痰を定期的に取り除く人が必要になります。ふたたびボランティア星集をおこなったり、痰を取り除く勉強会も開かれました。
ネタバレ結末は?

出典:映画.com
鹿野の退院パーティー。
ボランティアの皆が集まりましたが、落ち込んでいた田中は顔を出しませんでした。
鹿野はボランティアに感謝し、皆の前で美咲にプロポーズします。
しかし美咲は「気になる人がいます」と断ります。
鹿野はボランティアたちと美瑛を訪れます。美咲と田中は参加しませんでしたが、鹿野たちは旅行を楽しみます。しかし、鹿野は旅行先で車いすから転倒、病院に搬送されました。
連絡を受けた田中と美咲は急いで病院に向かいます。
しかし、病院にいた鹿野は大した様子ではなさそうでした。
鹿野は田中と美咲の様子を見て、2人が交際していることに気づき、2人を仲直りさせるためにわざと転倒したのだと言います。鹿野の思惑通り、2人は仲直りします。
そして、美咲は教師、田中は再び医師を目指すことを決めます。
しばらくたったのち、鹿野は亡くなります。
七年後。
田中と美咲は結婚し、教師と医者の夢を叶えていました。
主題歌、劇中歌は?

出典:映画.com
主題歌はポルノグラフィティが歌う「フラワー」です。作詞を担当した新藤晴一さんは
鹿野さんが聴いたらどんな風に思うのかと考えながら歌詞を書いたのですが、彼の強さをどう表現すればいいか最後まで悩みました。表現したかったことが聴いてくれた方に伝わればうれしいです。
出典:https://news.goo.ne.jp/article/dwango/entertainment/dwango-32564.html
と語っています。
また野外パーティーのシーンでは、北海道出身のロックバンド爆弾ジョニーがTHE BLUE HEARTSの「キスしてほしい」のカバーを生演奏します。
ロックは好きじゃないという鹿野でしたが、ノリノリの美咲を見て自分も楽しくなってしまう印象的なシーンを彩ります。
まとめ
ここまで「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」のあらすじ、主題歌情報をまとめました。
今作は、鹿野の奔放な性格が特徴的に描かれていますが、病を抱える者と介助する者はどういう関係であるべきか、対等であるにはどうすべきかという、ひとつの本質をついた作品にもなっています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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