今回はアカデミー賞を7つ受賞した未だ日本でも根強いファンがいる『ベイブ』をご紹介します。
過去、地上波でも何度も放映されましたが、仔豚のベイブの可愛さは何度見ても癒されます。
ちなみにこの映画は人間よりも圧倒的に動物の出演が多いです。
豚から始まり、犬・アヒル・猫・羊…と牧場で飼われているような動物は殆ど出演しています。
また、この作品の影響で牧羊犬を演じたボーダーコリーは、世界中で一躍「賢い犬」として人気になりました。
では、早速ベイブについて簡単に紹介させていただきます。
『ベイブ』作品情報
製作年 | 1995年 |
上映時間 | 92分 |
ジャンル | ハートフルコメディ |
監督 | クリス・ヌーナン |
製作国 | アメリカ合衆国 |
『ベイブ』主な登場人物(キャスト)
出典:Amazon
アーサー・ホゲット(ジェームズ・クロムウェル)
長身痩躯の心優しい牧場主。牧羊犬のレックスとフライを心から信頼している。フライを信頼し、ベイブを牧羊豚として育て上げる決心をする。人間でありながらまるで牧場の動物たちの言葉が分かっているかのよう。普段は寡黙で何を考えているのか分からない。
エズメ・ホゲット(マグダ・ズバンスキー)
ホゲットの妻。ホゲットとは異なり体格がよい。家事が得意でおしゃべり好きなおばさん。当初、ベイブを食べる予定だったのでベイブをご機嫌で向かい入れた。猫のダッチェスを可愛がっている。豚を牧羊犬にしようとしている夫の頭がおかしくなったのではないかと心底心配する。
ベイブ(クリスティーン・カヴァナー)
養豚場から連れられてきた仔豚。心優しく、ホゲットの牧場の殆どの動物たちとすぐに仲良くなる。賢く、牧羊豚としての才能を持っている。
フライ(ミリアム・マーゴリーズ)
ホゲットの牧場で最初にベイブを受け入れるメスの牧羊犬。4匹の仔犬の母でもあるためか、母性に溢れていてベイブの母同然に振る舞う。
レックス(ヒューゴ・ウィーヴィング)
オスの牧羊犬でフライの夫。ホゲットの牧場の動物たちのリーダー。主人であるホゲットを心底慕っている。牧羊豚としてのベイブを認めることが出来ず、冷たく当たる。
フェルディナント(ダニー・マン)
雄鶏の真似事をしてどうにか食肉加工されないように努力しているアヒル。ベイブの人の良さを利用することもしばしばある。ベイブの悪友的存在。
『ベイブ』あらすじ解説(ネタバレあり)
出典:dTV
起:ベイブとホゲット氏の出会い
ベイブは完全に機械化された養豚場で生まれます。ベイブの母豚は子を産むという役目を終えたので仔豚たちから引き離され、食肉加工場へ連れて行かれてしまいました。
賢いベイブは機械のお乳に口をつけず、寂しさから泣きながらトラックに乗る母を見送ります。
するとそこに男が現れ、ベイブを乱暴に袋に詰めて連れ帰ってしまうのです。男は移動サーカスの人間だったらしく、ベイブは「体重当てゲーム」の景品にされてしまいます。
そこに孫をサーカスに連れてきたホゲット氏が現れます。ホゲット氏は男に声を掛けられ、言われるがままベイブの体重を当てようと抱き上げます。
すると不思議なことに一匹と一人の目がパチリと合い、ベイブは鳴き声が止みます。まさしく運命の出会いだったのです。
ホゲット氏はベイブの体重を予想します。ホゲット氏はベイブの体重をピタリと当て、ベイブを家に向かい入れることになりました。
承:この世のルール
ベイブがホゲット氏の牧場に迎え入れられるとフライの仔犬達が興味津々で「あれは何?」と尋ねます。フライは「豚よ。」と答え、「犬と違って間抜けな豚や羊は食べられるしか道がない。」と言います。
ベイブはフライの間抜けという言葉を耳にして「僕のこと?僕は間抜けじゃない。」と反論します。まともに口が利けることに驚いたフライは「あなたは誰?」と尋ねるとベイブは「白豚」と答えます。
生まれて間もなく母親と引き離されたベイブは名前は付けられておらず、「ベイブ(赤ちゃん)」としか呼ばれたことがなかったのです。ベイブは「ママに会いたい。」と我慢できずに泣き出してしまいます。
そんなベイブを不憫に思ったフライは優しく接します。しかし、リーダーのレックスはいい顔をせず、「甘やかすと為にならない。」と言います。
誇り高い牧羊犬の彼には犬には犬の、豚には豚の役目、「この世のルール」があると考えているからです。つまり、やがて食べられてしまうベイブに優しくしても残酷なだけだと。
フライはレックスの言うことは無視し、たとえ短い間でもベイブの面倒を見ることを決意します。フライに優しく接されてベイブは次第に牧場に慣れていきます。
ある時、ベイブは羊のメェに会います。メェは病気らしく、他の羊とは違う小屋にいました。メェは「オオカミには気をつけなさい。」とベイブに告げます。ベイブは笑いながら「フライは優しい犬だよ。」と言いますがメェは「あれも残忍なオオカミに変わりない。」と言うのです。
ベイブは何を信じていいのか混乱しつつも、目の前のフライの優しさにメェの勘違いだと確信します。そして相手を無暗に疑うのはやめようと心に誓うのです。
そんなことを誓った矢先、ベイブはアヒルのフェルディナントに出会ってしまいます。彼はアヒルにもかかわらず、鶏の様に明け方鳴くのです。ベイブはフェルディナントに人間にとって役に立たない動物は食べられてしまうという「この世のルール」を教わります。フェルディナントが鶏の様に鳴くのも食べられたくない一心から考え出した策なのです。
しかし、その策もエズメが買ってきた目覚まし時計によって邪魔されてしまいます。
フェルディナントは人を疑うことを知らないベイブを使って目覚まし時計の破壊を試みます。
ベイブはホゲット氏の留守中家に侵入し、しかも家を散々荒らしてしまいました。
レックスはベイブのこの行いを重く受け止め、「甘やかしすぎた」と後悔し、フライや仔犬達と一緒に寝ることとフェルディナントと口を利くことも禁じます。
ベイブを必要以上に甘やかすことを禁じられましたが、その矢先この世のルールに則り、フライは仔犬達とお別れをすることになりました。フライは仔犬と別れたことをきっかけにますますベイブを甘やかすようになるのです。
転:世界”初”の牧羊豚の誕生
時は過ぎ、クリスマスが来ました。人間にとってはウキウキのクリスマスですが、「ディナーになるかも…」と動物達は気が気じゃありません。
ベイブはクリスマスディナーの第一候補です。しかし、そんなことにも気づかずベイブはのんきにジングルベルを歌っています。
エズメは豚を食べるのに乗り気でしたが、ホゲット氏はいまいち気が乗りません。
そして、その夜ベイブではなく他の動物がクリスマスディナーになりました。ベイブは人間の気まぐれでなんとか一命をとりとめました。
現実に絶望したフェルディナントは牧場を家出します。フェルディナントを見送っているとベイブは羊達の農場に異変を感じます。ベイブが急いで羊達の元に駆け付けると、なんと羊泥棒達がホゲット氏の羊を盗んでいるのです。
すぐにベイブはフライに知らせます。
ホゲット氏は慌てて羊の元へ駆けつけるとそこにはもう泥棒はおらず、僅かな羊しか残っていませんでした。
ホゲット氏はベイブの功績を認め、なんと犬の特等席である車に乗せるのです。
その翌日、ホゲット氏はとんでもない光景を目にします。なんと、ベイブが色別に鶏を並べているのです。ホゲット氏はベイブに牧羊豚としての可能性を感じ始めます。ホゲット氏はベイブに牧羊犬の仕事を任せるのです。
ベイブは最初こそ仕事の容量が分からず、犬の真似事をします。そんなベイブの様子にレックスは苛立ち、ベイブをサポートするフライに「牧羊犬は誇り高い我々の仕事だ。侮辱もいいとこだ。」と怒りをぶつけます。
しかし、そんなレックスの怒りもよそにベイブはなんと牧羊犬としての仕事をやってのけてしまうのです。フライ達が羊に命令して従わせていたのですが、ベイブは羊にお願いして言うことを聞いてもらったのです。
その夜、怒りに震えたレックスはフライの説得に逆上してしまい喧嘩に発展してしまいます。ホゲット氏は慌てて割って入ります。興奮状態のレックスは思わずホゲット氏に噛みついてしまいます。
ベイブはレックスに謝りますが、レックスの怒りを逆撫でするだけ。
そんな様子を見かねたホゲット氏は獣医師を呼びます。種犬のレックスを去勢するわけにもいかず、鎮静剤を打たれてしまいます。鎮静剤を打つと牧羊犬に復帰は出来ません。レックスは牧羊犬として再起不能にされてしまったのです。
結末・ラスト:世界”一”の牧羊豚
レックスが牧羊犬として使えなくなってしまい、ベイブの牧羊豚としての本格的な活動が始まります。
そんな中で、ベイブはたまたまテレビで牧羊犬の世界大会を目にします。フライは懐かしそうに「昔レックスと出場した。」と話しました。
実はレックスは本来なら世界チャンピオンになっていてもおかしくないほど優秀な牧羊犬だったが、事故で死にかけて耳を悪くしてしまって以来大会には出られなくなってしまったのです。
ホゲット氏はかつてレックスに獲らせてやれなかった世界チャンピオンの称号をベイブならば…と大会に臨むための練習を開始します。ベイブはとてつもなく張り切っていました。
その日の朝、ベイブは異変を感じ羊の元へ向かうとなんと羊が野犬に襲われていました。ベイブにかつて優しくしてくれたメェは血だらけで瀕死の状態でした。
ホゲット氏はその光景を見て、ベイブがやったと勘違いします。ホゲット氏はベイブを殺処分することを決心します。
フライは羊達からベイブが殺してないことを聞き出すと、慌ててホゲット氏にそれを伝えます。またしてもベイブは命拾いしました。
数日後、エズメは婦人会の旅行で数日家を空けることになりました。ホゲット氏はエズメのいない間に本当にベイブをエントリーさせてしまいます。今まで以上にホゲット氏はベイブに優しく、犬のフライ達と同様に接します。猫のダッチェスに意地悪をされ、ベイブが落ち込んだ時も寡黙なホゲット氏は踊って励ますほどです。
牧羊犬大会の当日、ホゲット氏は審査委員に呼び出しを食らいます。
審査委員は怒り心頭です。「由緒ある大会に豚を連れてくるなんて侮辱もいいところだ!」と。ただ、規約には豚はダメだという記述がなかったために特例として参加を認められたのでした。
しかし、せっかく出場が認められたのにベイブはベイブで問題が発生します。なんと大会の羊はホゲット氏のところで飼われている羊と違うため、ベイブの言うことなんて何も聞いてはくれないのです。レックスとフライはご主人に恥をかかせるわけにはいかないと牧場に戻り羊達に助言を頼みます。
レックスにベイブの為と言われ、羊達は同胞同士の秘密の合言葉をレックスに伝えます。レックスは大急ぎで戻り、ベイブに合言葉を伝えます。ベイブはその合言葉を使い、いつも通り紳士的に羊達に対応します。
そして、審査員からの満場一致の満点票を得るのでした。
そんなベイブに寡黙なホゲット氏は「よくやった。」と声を掛けて優しく微笑みかけるのでした。
『ベイブ』の見どころ解説
出典:HBO.com
では、ベイブの見どころはどこなのでしょう?
本当に見どころたっぷりですので、一つずつ挙げさせていただきます。
ベイブが可愛すぎる
ベイブは最初から最後まで素直でとっても可愛いです。
その愛らしさと素直さで牧場の殆どを、そして最後には気難しいレックスまでもを味方につけてしまいます。牧羊豚としての務めが果たせるようになったのも、羊達からその素直なところを評価されてのことです。
あと、劇中ベイブが歌うところは本当に可愛いです。(歌うのはジングルベルです)
騙されても意地悪されても疑うことを最後まで知らなかったベイブには本当に癒されます。
牧羊犬の仕事を見れるのが新鮮
日本ではあまり牧羊犬て馴染みがないですよね。牧羊犬というのはやはり海外、それもイギリスとかのイメージが強いですよね。日本では牧場まで行ってもあまり見れる光景ではありません。
それをスクリーン越しではありますが目の前で見れるのは、犬好きの私としては感動です。
レックスとフライが羊を追い込むシーンを見て、犬は本当に昔から人間の相棒なんだなと改めて思わされます。
レックスが「先祖代々この仕事をやっている。誇り高い仕事なのだ。」と言うシーンはベイブへの嫉妬で出た言葉ではありましたが、仕事に対するプライドを感じて犬なのに格好いいと思ってしまいました。
なのでレックスの格好良さも見どころですね!
動物達が本当に話しているみたい
『ベイブ』は当時(1995年)の映画にしては珍しく、CGやアニマトロニクスというロボットを使った撮影技術などを使用します。
様々な工夫をこらして、まるで動物が本当に人語を喋っているかのように口が動くんです。
この特殊な撮影方法が評価されてアカデミー賞視覚効果賞を受賞しています。
よく動物番組などで動物に声優さんや俳優さんが声を当てているのを見ますが、あれの比ではありません。
なので子供に夢を与える映画とも言えますね!
実際私は子供のころ本当にしゃべっているのかと思いましたから!!
『ベイブ』ネタバレあらすじラスト結末の解説!見どころものまとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。
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